パリ五輪、金メダル値上がり!? 金相場上昇で価値2割高に、銅メダルは2.5倍に上昇
パリ2024オリンピックが8月11日、閉会した。日本勢は金メダル20個を含むメダル45個を獲得。そのメダルだが、金属価格が軒並み高騰した中、前回までの東京やロンドンに比べるとメダルそのものの「価値」が高騰。近年まれにみる「お高い」メダルになったようで-―。
国際オリンピック委員会(IOC)の規定によると、金メダル1個には最低6gの金を含めることが義務付けられている。1912年までは金メダルはすべて純金でできていたが、現在は土台に当たる95%を銀で作り、表面を金でコーティングする製法が主流だ。
今回のパリ五輪の場合、米マルチメディアのブラック・エンタープライズ(Black Enterprise)が8月6日に伝えたところでは、足元の金相場と銀相場を考慮した場合の金メダル1つの価値は約950ドル(約14万円)相当と産出された。今回は、メダルにエッフェル塔の小さな破片も埋め込まれて話題になった。
一方、CNNが2020年当時に伝えていた東京五輪の金メダル1つの価値は約800ドル相当。メダルの直径や厚みに多少の差はあるが、金6グラムは変わらず、銀で土台を作る制作方法も大差はない。つまり、主に金属価格の高騰が響いて、金メダル1つに当たり19%高と2割近く値上がりした。
過去5年間のNY金価格と銀価格の推移($/toz)
価格高騰は、銀メダルや銅メダルも同じだ。Money controlなどの8月6日までの報道によると、パリ五輪の銀メダルは507グラムの銀と18グラムの鉄で作られ、足元の推定価値は約535ドル。銅メダルは銅が415.15グラム、亜鉛が21.85グラム、鉄18グラムで構成されて、推定価値は約12ドルとなった。東京五輪当時は、銀メダルは約450ドル、銅メダルは約5ドルと伝わっていた。銀メダルはやはり2割高、銅メダルは近年の銅相場急騰を受け、約2.5倍に値上がりしたことになる。
過去5年間のNY銅相場の推移($/Lb)
巷では、パリ五輪のメダルが「1週間で汚くなった」など品質悪化を指摘する報道もある。しかし、そもそも原材料費が高騰し、製作コストが割高だったことも指摘しておこう。
(IR Universe Kure)
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