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RSテクノロジーズ(3445)24/12Q2WEB決算説明会メモ ポジティブ継続

24/12Q2増収増益に転ずるも24/12期5.8%増収17.7%営利増予想に変更なく増額期待

株価3480円(8/22)   時価総額918億円       発行済株26,375千株

PER(24/12DO予想11.3X)PBR(1.45X)配当DO予37円 配当利回り1.1%

 

要約

・24/12Q2は5.2%増収1.9営利増と四半期で増収増益に転じる

・24/12期5.8%増収17.7%営利増3.2%経常増予想変更せず下期増額で経常最高益期待

・中計ベースプラン26/12期売上高641億円、営利168.3億円は上振れ期待

 

 

24/12Q2は5.2%増収1.9営利増と四半期で増収増益に転じる

 

 8/9に24/12Q2決算が発表され、8/21にWEB説明会が開催された。24/12Q2は売上高147.10億円(5.2%増)、営業利益34.51億円(1.9%増)、経常利益43.08億円(4.9%増)、税引利益20.51億円1.6%増)と23/12Q1以来、5四半期ぶりに同期比増収増益に転じた。これにより24/12HIは売上高518.93億円(期初計画比35.68億円増額、15.1%増)、営利60.82億円(同4.18億円未達、4.9%減)、経常利益78.96億円(同5.96億円増額、2.0%増)、税引利益38.33億円(同1.33億円増額、3.0%増)と、営業利益を除き増額着地となった。四半期ではQ1が26.4%増収ながら12.6%営利減、1.3%経常減と振るわなかったものが、Q2で挽回した格好に。

 

 セグメント別ではウエハ再生が売上高58.05億円(同期比20.2%増)、営利21.64億円(24.4%増)と好調を持続、売上はフル操業状況で増収を継続しているが、営業利益も4四半期連続で同期比営利増に。世界的な半導体生産の回復、新設の半導体工場もあり新製品立上げの際にテストニーズなどが増す等、旺盛な需要から能力拡大に沿った収益拡大が続いている。営業利益は投資負担増の中で円安も寄与、1.3ポイント上昇し37.3%となっている。なお生産推移での開示は300mmウエハだけとなっているが、24/12H1で販売先の48.1%が台湾向けで、同社最大ユーザーのTSMC等への増収効果が大きいとみられる。

 

 プライムウエハ事業は売上高52.29億円(同期比4.3%増、Q1比20.2%増)、営利13.71億円(同8.8%減、同64.2%増)と、中国市況の減速継続も足元は大幅に収益が回復している。これはCZ法(Czochralski=チョクラルスキー法:石英ルツボ内で溶融したポリシリコンに種結晶を接触させ、ゆっくりと上方に引き上げ単結晶を成長する方法)製品に加え、単価の高いFZ法(Floating Zone法:棒状多結晶シリコンの下に種結晶をつけ、誘導加熱で種結晶と多結晶シリコンの境界あたりを融解し単結晶化していく方法)のウエハ拡大もあるとみられる。

 

 半導体その他事業は売上高36.51億円(同期比11.3%減、Q1比36.6%減)、営利3.43億円(同16.3%減、同3.1倍)と、Q1に大口の商社機能の超音波検査装置販売があったことの反動でQ1比売上減となっているが、東京エレクトロン宮城向へのエッチング装置向け部材加工品等の販売が低調に推移、部材収益の伸び悩みが継続している模様。

 

 全体を通じ、再生ウエハ事業がフル生産の中で増収効果、プライムウエハ事業が中国での市場軟化影響がQ1比で急速に改善した。利益面ではプライムウエハ事業の収益悪化を補えず営業利益は25/12H1計画比で未達成も、円安効果から営業外で同期比為替差益増2.88億円があり、経常利益では上振れ着地となった。

 

24/12期5.8%増収17.7%営利増3.2%経常増予想変更せず下期増額で経常最高益期待

 

 24/12期会社予想の売上高549億円(5.8%増)、営業利益140億円(17.7%増)、経常利益154億円(3.2%増)、税引利益76億円(1.3%減)に変更はなく、差し引きで25/12H2は売上高248.32億円(期初計画比35.68億円未達、同期比3.6%減)、営利79.18億円(同4.18億円増額、46.5%増)、経常利益75.04億円(同5.96億円減額、4.5%増)を見込むこととなる。

 

 現状、再生ウエハは生産能力増強効果がフルに寄与、最大手ユーザーのTSMCも生産の再拡大が始まっており、下期も上期比増収増益が見込める。プライムウエハ事業は8インチウエハ生産能力のアップが寄与、8インチウエハは安定生産13万枚/月に加え新た5万枚/月の能力増強が前倒しで実行されており、既に18万枚/月の能力に達し、売上拡大に寄与しよう。また下期はエッチング関連部材がエッチング装置の生産回復で急回復しよう。半導体装置・部材事業についてもバルク事業は不透明も、DGテクノは東京エレクトロン宮城向けに急回復が見込める。このため、売上高が下期増額となり、利益も最高益更新が期待される。

 

 

中計ベースプラン26/12期売上高641億円、営利168.3億円は上振れ期待

 

  同社は新中計でベースラインとして26/12期に売上高641億円、営業利益168.3億円、経常利益182.3億円を目標としている。この目標に向け、各事業の生産能力アップを計画している。

 

 

 ウエハ再生事業は2026年までに月産89万枚の生産能力の確立を目指す。同社は1枚のウエハを10回程度再生、再生ウエハの世界全体の生産枚数は23年の月間132万枚から24年は174万枚と32%ほど増える見込みで、バージンウエハの伸びを上回っている。この要因は新デバイス開発でテスト回数が増えていることを意味していると判断、会社側では半導体生産の先行指標的な数字として捉えている。半導体生産全体で年率8~10%程度の伸びを想定、それ以上の再生ウエハの需要を期待している模様。プライムウエハ事業では8インチで既に18万枚を実現、2026年に月産28万枚を目指す。また12インチ2026年には月産21万枚を目指す。なおプライムウエハ事業の中には半導体製造装置向け部材が含まれ、同部材は半導体生産の本格回復に応じて再度高成長すると見られ、同部門収益に大きく寄与しよう。全体として半導体生産の拡大、またAI半導体など、開発案件の拡大などが期待され、再生ウエハでは最大ユーザーがTSMCであることを考慮すれば、中計ベースプラン達成は上振れ達成が期待される。

 

 同社は中計のアップサイドプランとして、バナジウムレドックスフロー電池事業と新たなM&A実施による成長織込み、2026年12月期に売上高1311億円、営利242億円を目標値と定めている。

 

 新事業の柱はバナジウムレドックスフロー電池(VRFB)用高効率低単価を実現するバナジウム電解液事業。最大市場となっている中国市場に進出、26/12期に売上高240億円、営利率20%を目指すとしている。2025年を目処に電解液製造能力を2000万L/年まで引上げ2028年までには世界トップシェア獲得を目論む。既に米国向けなどでも受注を獲得した模様で、今後の展開に注目が集まる。

 

 M&Aについても積極的に対応する計画で、2026年までに430億円規模を計画している。今回、ヘリオステクノHDのTOBについては価格が折り合わず見送りとしたが、今後もビジネスチャンスがあれば積極的にM&Aを実行するとみられる。

 

 株価は23/12期決算が経常減益となり、インデックスに対し劣後していたが、24/12期予想が増収増益予想としたこともあり、過去6カ月では日経平均に対し上振れて推移している。現状24/12期会社予想EPS288.34円に対しPER12.1倍はプライム金属17.6倍、化学21.2倍に対し割安感がある。またプライムウエハの信越化学19.8倍、SUMCOコンセンサス23.1倍に対し割安となっている。24/12期は会社予想増額から最高益更新が期待され、グループ上場企業持分の時価総額を加えると企業評価価値は実質的なPBRで大きく1を割り込む状況となっており、ポジティブ継続としたい。なお最大手ユーザーがTSMCであること等を再評価されるとみられ、アップサイド計画が順調に推移した場合には2次電池関連株としての評価も加わり、株価の居所が大きく変化してくる可能性もある。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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