洋上風力の水中部点検のトレンドを紹介―日本水中ドローン協会

セミナーの登壇者ら(左下が高木氏)
洋上風力発電設備の点検・メンテナンス事業を行うホライズン・オーシャン・マネジメント(東京都港区)の高木伸幸代表は29日、(一社)日本水中ドローン協会が主催するオンラインセミナー「第11回水中会議(ミズナカカイギ)」に登壇し、「洋上風力プロジェクト 水中部点検の最先端から学ぶ」の題で講演を行った。
高木氏は洋上風力発電設備における水中部点検の必要性を強調した後、実調査のトレンドに言及。水中ドローンに取り付けて海底ケーブル埋設深度を測定する「SBI(Sub Bottom Imager)」などの説明を行った。同氏によれば、同機器は欧州や台湾洋上風力の案件で多く採用されており、特に敷設後初期ケーブル埋没調査で、最も信頼性が高い機器と評価されているという。
一方、使用する機器や船舶が大型化することからコストも大きくなるというデメリットについても説明が行われた。その上で高木氏は、「洋上風力事業全体でみると、定期的な点検、精度高い点検により、早期に瑕疵を発見すること、いかに修繕が必要となるケースを減らし、安定稼働を継続することで収益を上げることが重要となる」とし、日本でも今後採用ケースが増えてくるのではないかと見解を示した。
また、先行する欧州の点検で使用される機体についても触れ、「日本国内で紹介されることが多い小型の機体は、実際はなかなか使われていないと感じる」と報告。「様々な海象条件などがある中で、小型機体がしっかりと稼働するのかを踏まえて機器を選定、開発する必要がある」と警告した。
水中会議を主催した日本水中ドローン協会は2019年に設立された団体で、人材育成や市場拡大・普及活動、情報発信、関係各所とのネットワーク構築を主な活動として展開している。11回目の開催となった今回の水中会議のテーマは「海外活用事例から見える日本の未来」。高木氏のほか、水中点検・施工のエキスパートとして、アジア海洋(東京都中央区)の清水啓輔氏、飯田琢磨氏らが国内外における水中ドローン、ワーキングクラスROVの活用事例を紹介した。
(IRuniverse K.Kuribara)
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