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EU、重要鉱物の共同購入で仕組み構築へ 運営企業を入札、ニッチ鉱物の調達に有用か

 欧州連合(EU)が、重要鉱物の共同購入の仕組みを構築する模様だ。2024年内に契約をある程度まとめ、2025年初めからプラットフォームの開発に乗り出す。ロイター通信が10月21日に消息筋の話として伝えた。

 

■企業の資源調達、中露の支配から守る

 報道によると、EUは重要鉱物とエネルギーの共同購入プラットフォームの運営企業の入札を始めた。応札した企業・機関は8社で、大手コンサルティングのデロイト・トーマツやプライスウォーターハウスクーパース(PwC)、ドイツソフトウエア開発のMetalshubやEnmaccなどが応札したという。落札企業には900万ユーロ(約15億円)が支払われる。

 EUは5月に重要原材料法(CRMA)を発効し、EUとして重要鉱物の域内生産やリサイクルに取り組む。共同購入はこの流れを受けたもので、中国やロシアが支配する重要鉱物取引を巡り、EU加盟国の企業が原料調達を容易かつ不利でない条件で行えるようにする。

 

関連記事:EU、重要原材料法案を2024年にも法制化へ 脱中国依存、黒鉛を対象に追加 | MIRU

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■ガリウム、ゲルマニウムのようなニッチ鉱物に有用か

 この共同購入がうまくいくかは未知数だ。報道によると、EU側は、共同購入には企業側からの要望が多く、実現は緊急性が高いとしている。一方で、自動車などの大手企業は既に採掘企業との間でニッケルやコバルトのようなある程度メジャーな重要鉱物の供給で直接契約を結んでおり、大手は共同購入に参加しない可能性もある。また、半導体メーカーなどの先進産業な企業では、共同購入に参加することによる情報漏洩を心配する声もあるという。

 

 ただ、中国がガリウムやゲルマニウム、黒鉛(グラファイト)などにみられるような資源の武器化をちらつかせたり、ロシアによるウクライナ侵攻で物流を含むサプライチェーンの混乱があったりする中で、共同購入はある程度の安全弁にはなりそうだ。

 実際、中国の輸出規制後、ガリウムとゲルマニウムはともに高止まりしている。特にゲルマニウムは2024年に入ってからの上昇が目立ち、金属ゲルマニウムは9月下旬から$2900/kgと過去20年間での最高値圏に上昇している。

 

過去3年間のガリウム価格の推移(EU Spot market)($/kg)

 

過去20年間の金属ゲルマニウム価格の推移(9.99%China)($/Kg)

 

 共同購入が実現すれば、大量購入により安い価格での購入が可能になるわけで、調達する企業にとっては朗報だろう。報道でも、「ガリウムやゲルマニウムのようなニッチな鉱物には、共同購入は有用かもしれない」との声が紹介された。

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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