環境省・波戸本課長、高度化法の検討状況など報告―第4回CEシンポジウム

9日に学士会館で開催された第4回サーキュラーエコノミーシンポジウムには、注目企業の責任者のほか、環境省や経済産業省の担当者も登壇し、循環型経済の実現に向けた国内の政策動向などを紹介した。
環境省環境再生・資源循環局総務課の波戸本尚課長は、今年5月に公布された「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律」(再資源化事業等高度化法)の概要や現状を報告したほか、現在検討を進めている「資源循環ネットワーク形成及び拠点の戦略的構築事業」について、政策の方向性を説明した。
再資源化事業等高度化法では、主な取り組み事項として、「基本方針の策定」や「再資源化の促進」のほか、「再資源化事業等の高度化の促進」が定められており、先進的な高度化の取り組みを環境大臣が認定する制度が創設される予定だ。認定事業者は予算補助や税制などの特例を受けられるという。
認定の類型としては、「事業形態の高度化」「分離・回収技術の高度化」「再資源化工程の高度化」が公表されているものの詳細内容は示されておらず、政府の動向にリサイクル事業者からの注目が集まっている。
波戸本課長によれば、認定開始は「来年の11月頃」とのことで、現在は小委員会で内容を議論している最中だという。例えば、広域的な分別収集・再資源化を促進するための「事業形態の高度化」では、地商資源を製品製造工程に供給することを想定していることから、一部の廃棄物を除外することの必要性などが検討されているようだ。温室効果ガスの削減を狙う「再資源化工程の高度化」に関しては、優良産廃処理業者認定など過去の取り組みも評価すべきではないかという意見もある。
また、波戸本氏は、「(高度化法とは別に)もう一段階の仕組みが必要」と強調したうえで、「資源循環ネットワーク形成及び拠点の戦略的構築事業」の予算確保の重要性を呼び掛けた。
同事業は、▽動静脈連携による製造業への再生材供給のためのネットワーク形成▽リサイクル拠点の全国展開可能なモデルケースの構築などを主な取り組みとして想定したもので、経済的な支援策も併せて検討されているという。高度化法同様にリサイクル産業に大きな影響を与えると想定される。
経産省の講演内容は後日掲載する。
(IRuniverse K.Kuribara)
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