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チタン原料市場市況2024年11月 下落、スポンジチタン最安値 最終需要回復せず

 2024年11月のチタン原料市場は下落している。合金向けのスポンジチタンが過去最安値圏で下落を続け、悪影響が波及。鉱石価格が3年4か月ぶり、二酸化チタン価格が2年ぶりの安値に下げた。9月のピークシーズンに最終製品需要の回復遅れから受注が鈍り、失望感が広がっている。

 

チタンスポンジ

 

過去3か月間の一般産業向けスポンジチタン価格の推移( China)($/kg)

 

 中国の一般産業向けスポンジチタンは11月7日に仲値$6.09/kgまで下げた。統計が取れる過去20年間で最安値圏で値下がりが続く。上海有色網(SMM)は10月15日のレポートで「川下需要が回復せず、スポンジチタンの生産者は在庫が増えつつあるため減産に踏み切り始めた」と指摘した。

 

 中国では工業製品の値下がりに歯止めがかからない。国家統計局が11月9日に発表した2024年10月の卸売物価指数(PPI)は前年同月比2.9%低下と、下落率は9月の2.8%から拡大し、25カ月連続の前年割れとなった。

 

中国の卸売物価指数の推移

(出所:中国国家統計局)

 

 航空機向けスポンジチタンは2023年1月から横ばい。

 

過去3年間の航空機向けスポンジチタン価格の推移($/kg)

 

二酸化チタン

 

過去3か月間の二酸化チタン価格の推移(ルチルTi02 93%min Fob China)($/ton)

 

 合金向けに劣らず、全体の6割を占める塗料向けの需要もさえない。二酸化チタン価格は11月7日に仲値$2070/tonと2022年11月以来の安値を付けた。9月半ばから段階的な値下がりが続き、歯止めがかからない。SMMは「9月の伝統的なピークシーズンに需要がさえず、需給のミスマッチから二酸化チタンの生産大手が価格を引き下げた」と指摘した。大手の値下げに他社も追随せざるを得なかった可能性がある。

 

チタン精鉱

 

過去3か月間のチタン鉱石価格の推移(TI02 50% Fe203.14%)(US/ton)

 

 二酸化チタンの低迷で需要期待が縮小し、原材料価格にも悲観ムードが波及した。チタン鉱石は11月7日に仲値$382.5/tonと2021年7月以来の安値を付けた。9月下旬から10月初旬までを直近高値に、その後は段階的な値下がりが続く。

 FerroAlloyNetは11月6日の週刊レポートで「エジプト産などの低価格帯の輸入鉱石も値下がりしている」と指摘。「最終製品の需要が鈍く、原材料の取引は既存顧客向けの定価での取引に限られている」と伝えた。

 

過去3か月間のルチル価格の推移(95% Ti02 bulk Fob豪州)($/ton)

 

 ルチルも一段安となり、11月2日に$1125/tonと2019年5月以来、およそ5年5か月ぶりの水準に下げた。

 

チタンスラグ

 チタンスラグもさえない。前出のFerroAlloyNetレポートによると「中国北部の大口取引先がチタンスラグの調達に踏み切ったが、規模があまり大きくなかった」という。需要回復の足取りが重い中、失望感につながったとみられる。

 

四塩化チタン

 

過去3か月間の四塩化チタン価格推移(99.99%min EXW China)(Rmb/mt)

 

 比較的動きの少ない四塩化チタンも安い。10月24日に仲値RMB6000/mtと2020年秋以来ほぼ4年ぶりの安値に下げた。RMB6000を下値支持線に踏みとどまっているが、下押し圧力は強い。

 

 フェロチタン

 

過去3か月間のフェロチタン価格の推移(Ti 70% EU)($/kg Ti)

 

 やはり一段安。7月下旬からの$7.50/kgが維持できず、10月31日に$7.45に小幅に下げた。製鉄所による調達はあり既存の取引価格は安定しているが、新規の注文を安く提案されるケースが多いという。

 

<Topics>

11月8日、11月6日

 東邦チタニウムと大阪チタニウムは11月8日までに、それぞれ2024年4-9月期決算を発表した。

 

関連記事:東邦チタニウム:25/3期中間決算を発表し、業績見通しを据え置き | MIRU

関連記事:大阪チタニウム:25/3期中間決算を発表し、業績見通しを下方修正 | MIRU

 

11月6日

 MSNニュースなどの外電によると、スウェーデンのウプサラ大学の研究グループは、月でチタンを採掘し地球へと輸送するシナリオを数学モデルを援用して描き出し、その結果を論文で公表した。月には豊富なイルメナイト鉱石があると期待されているという。

 

10月24日

 米ブルームバーグ通信が消息筋の話として伝えたところによると、米国がウクライナ侵攻に伴う対ロシア制裁としての金属輸入制限について、パラジウムとチタンを新たに加えることを検討するよう、先進7か国(G7)に要請した模様だ。

 

関連記事:米国、パラジウムとチタンの対ロ制裁追加をG7に要請か 外電報道 | MIRU

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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