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キリンHD PETを高効率で分解するケミカルR技術開発、廃繊維中PETも循環

~混紡繊維中のPET分解率が世界最高値の90%、ペットボトルのPET分解量が28倍に向上~

 キリンホールディングス株式会社(社長 COO 南方健志)のキリン中央研究所(所長 矢島宏昭)、国立大学法人静岡大学(学長 日詰一幸)農学部(以下静岡大学)、大学共同利用機関法人 自然科学研究機構(機構長 川合眞紀)分子科学研究所(以下NINS)および国立大学法人大阪大学(総長 西尾章治郎)蛋白質研究所(以下大阪大学)は、11月25日、共同で、ケミカルリサイクル技術の一つである「酵素分解法」で用いる「PET※1分解酵素」を改変※2し、PETを高効率で分解できる酵素の開発に成功したと発表した。

 

 改変した酵素を用いた検証では、一般的に資源循環が困難とされている混紡繊維中のPETも分解でき、PETとコットンの混紡繊維におけるPETの分解率※3が90%と世界最高値※4となった。また、ペットボトルにおける評価では改変前の酵素と比較し、PET分解量が28倍に向上※5したことを確認。この二つの成果は特許出願中だという。

 

 キリンは、今回開発した「PET分解酵素」の社会実装を目指して新たなパートナーの探索を行い、環境に配慮しながらプラスチック資源が循環し続ける社会を目指す。

 

※1 ポリエチレンテレフタラート
※2 酵素の構造を変えることで、PETに対しての働き(分解効率)を良くすること。
※3 PET分解酵素により、検証に使用したPET全量のうち、分解できたPET量の割合。
※4 DialogおよびJdream3データベースを用いた、酵素によるポリエチレン含有繊維の分解に関する文献調査に基づく(Dialogデータベースでの調査対象は査読論文に限る)(2024年11月18日(月)調査実施 ナレッジワイヤ調べ)
※5 改変前のPET分解酵素「PET2」と改変後の「PET2-21M」での比較。60℃の温度帯で、それぞれ同量の添加した酵素量と分解対象のPET量で検証した場合の分解量の比較。

 

■研究背景
 近年、プラスチック問題が注視されている中、容器包装資源やプラスチックを用いた繊維製品を資源循環する持続可能な仕組みを作っていくことが世界的にも求められており、その解決策として、ケミカルリサイクル技術の関心が高まっている。ケミカルリサイクル技術とは、廃ペットボトルを選別、粉砕、洗浄して汚れや異物を取り除いた上で化学分解処理を行い、PETの中間原料まで分解、精製したものを再びPETに合成する方法。

 

 近年は、“分解”の工程で酵素を用いて、PETをモノマー※6分子単位まで分解する「酵素分解法」が注目されている。「酵素分解法」は従来の代表的なケミカルリサイクル法※7と比較し、低温でPETの分解ができるため、より環境への負荷を下げることができる一方、「PET分解酵素」の活性が低いため実用化に至っていなかった。そこでキリンは、「PET分解酵素」の実用化を目指し、静岡大学、NINS、大阪大学と共同で耐熱性の「PET分解酵素」である「PET2」の研究開発を2022年から開始した※8。

 

※6 PETを構成する最小の単位
※7 加水分解法・メタノリシス法・グリコリシス法など
※8 共同研究開始に関するプレスリリース(2022年1月18日)
https://www.kirinholdings.com/jp/newsroom/release/2022/0118_01.html

 

■研究成果
1)混紡繊維中のPETも分解できることを確認、PETとコットンの混紡繊維中のPET分解率が世界最高値の90%
「PET2」を改変した「PET2-14M-Hotlike」を作製し、PETとポリウレタン、PETとコットンの2種類の混紡繊維中のPETを選択的に分解できることを確認。さらに、PETとコットンの混紡繊維中のPET分解の検証において、PET分解率が世界最高値の90%※4となり、その際に使用した酵素の量と分解までにかかった時間から、世界最高の分解効率※4であることを確認した。


 

 


2)ペットボトルのPET分解量が28倍に向上
「PET2-14M-Hotlike」を基盤に酵素の機能を保つために必要な熱安定性とPET分解の活性をさらに向上させる「PET2-21M」の作製に成功。ペットボトルの検証において、反応温度60度でPETを分解する量が、改変前の酵素「PET2」と比較し28倍に向上することを確認した。


 

■キリングループの「容器包装」に関する取り組みについて

 

 

(IR universe rr)

 

 

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