米カナダ、タングステン企業に38億円を協調投資 関税引き上げから2日後
米国防相は12月13日、ホームページ上で、カナダのタングステン企業ファイアウィード・メタルズ(Fireweed Metals Corp)に1580万ドル(約2250万カナダドル)を支援すると発表した。カナダ天然資源省も1290万カナダドルを支援し、支援額は合計3540万カナダドル(約38億円)となる。米国の中国産タングステン製品の関税引き上げからわずか2日後の発表となった。
■世界最大の未開発鉱山を北米共同で
プレスリリース(カナダ):Canada and United States Co-Invest to Unlock Critical Minerals Development in Yukon - Canada.ca
米カナダの両国は協調し、北米でのタングステンのサプライチェーン(供給網)強化を目指す。ファイアウィードは、世界最大の未開発の高品位タングステン鉱床の1つであるカナダのユーコン準州マクトゥングサイトで、タングステン鉱山の開発を手掛ける。米国務省は投資資金について、同社の試験作業や実現性の査定、工場建設の決定などに役立てられると説明した。
■中国産の輸入関税引き上げからわずか2日後
米国は12月11日、タングステンバーなど一部中国産タングステン製品への輸入関税について、1月1日から引き上げると発表したばかりだ。
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米国は、輸入関税引き上げ時と今回のカナダへの投資の2つの発表資料で、共通して「米国は海外のタングステン供給源に過度に依存している」と、中国依存への危機感を示唆した。さらに今回の発表では、タングステンは「軍用グレードの鉄鋼生産、航空宇宙部品、軍需品、地上車両の装甲にも重要だ」とし、同盟国とのサプライチェーン確立を強化するとした。
タングステン鉱石は中国の生産量が世界の9割近くを占める。ただ、西側とのサプライチェーンには分断もあり、米国の関税調整後も、現在までにタングステン価格に大きな動きは見られない。
過去3か月間のタングステンバー価格の推移(w-4 99.9% China)($/kg)
(IR Universe Kure)
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