東邦亜鉛 24年度末までに亜鉛製錬から撤退 二次亜鉛原料などに注力――阪和と業務提携
東邦亜鉛が安中製錬所(群馬県安中市)の亜鉛製錬の一部ラインを2024年度末までに停止、環境ダストリサイクルの熔融設備に切り替える計画であることが18日わかった。小名浜製錬所の亜鉛焙炒炉と付随する硫酸工程も停止する。同日の発表資料などで、その方針を示した。亜鉛事業を対象に最大160人の希望退職も募る。また、同日には阪和興業と国内外における鉛・銀製品の拡販、鉱石・リサイクル原料の供給などで業務提携することも発表しており、一連の対策で事業再生を目指す。
安中製錬所の亜鉛製錬の一部ラインの変更は、「事業再生計画および第三者割当増資の概要」などで示した。亜鉛製錬事業の今後の活動方針として、24年度末までに主要亜鉛精錬設備を停止すると明記。27年度以降、環境ダストリサイクル熔融設備の新設による二次亜鉛原料販売と貴金属回収を計画として、新たな方向性を示している。25‐26年度の2年間で溶融設備などの導入を進める。35億円を投資するという。
小名浜製錬所については、亜鉛焙炒炉と付随する硫酸工程も停止する一方、既設の硫酸タンクを利用した濃硫酸の購入販売と薄硫酸の製造販売を継続、また24年10月に開始した新規事業であるLIBリサイクル事業に注力する。
同日発表の阪和興業との業務提携は、①国内外における鉛・銀製品の拡販、鉱石およびリサイクル原料の供給、②製品および原料の相場価格変動のリスク低減の支援または価格ヘッジにかかわる負担の軽減――が柱になるとしている。
事業面での支援を阪和興業から受けながら、アドバンテッジパートナーズ(AP)、辰巳商会に第三者割当増資を実施、75億円の資金を調達することで、事業再生を目指す。
24年3月期の決算(連結)は、売上高が前の期比10.3%減の1308億300万円、純損失は464億5200万円だった。25年3月期の連結最終損益は54億円の赤字予想となっている。
(IRuniverse G・Mochizuki)
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