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アップルVSコンゴ 錫やタンタル巡り資源国が反撃、企業には原料調達にリスクも

 米アップルとコンゴ民主主義共和国(DRコンゴ)との関係が法廷争いに発展しそうだ。コンゴが原材料調達を巡り、フランスとベルギーの裁判所にアップルを刑事告訴した。アップルは反論したが、コンゴ側は引かない構え。長く先進国企業に搾取されてきた資源国側も力を付け、反撃を試みた構図だ。

 

 

 ロイター通信の12月18日報道によると、コンゴを代表する弁護士団は同日、アップルの反論について「満足と注意」をもって「歓迎」した上で、「反論内容を裏付ける事実と数字とともに、現場で検証されなければならない」とも述べた。また、アップルが反論しても「過去や行われたとされる犯罪を変えるものではない」とも付け加え、告訴を継続する意向を示した。

 

■先進国サプライチェーン、犯罪組織関与のタンタルを調達か

 事の始まりは、英法律サービスのアムステルダム・パートナーズLLP(Amsterdam and Partners LLP)が12月17日、「コンゴを代表する弁護士がアップルについて、サハラ以南の『血液鉱物』を巡りフランスとベルギーの裁判所で刑事告訴した」とのプレスリリースを配信したことだった。

 

プレスリリース: Press Release: Apple Hit with Criminal Complaints in France and Belgium over “Blood Minerals” in Supply Chain – Amsterdam & Partners LLP

 

 リリースでは、アップルが、コンゴから略奪された重要鉱物を、犯罪組織が関与する違法取引を通じて調達していると指摘。結果的に犯罪組織の資金源になっているとし、「略奪の加害者と、携帯電話やコンピューターなどの家電製品の最大手メーカーや、自動車、航空、再生可能エネルギー分野の企業との間で、相互依存のサプライチェーン(供給網)がある」とした。アップルについては巨大企業の責任としてこの件に関する説明責任を求めた。

 

 一方のアップルは同日、「コンゴまたはルワンダから供給された問題の鉱物を使用してはならないとサプライヤーに伝達済みだ」と反論したと伝わった。ロイターによると、アップルは「一次鉱物を直接調達しておらず、サプライヤーを監査し、調査結果を公表し、鉱物のトレーサビリティの改善を目指す団体に資金を提供している」とした上で、「2024年初めに地域紛争が激化したため、既にサプライヤーに対し、コンゴとルワンダからの錫、タンタル、タングステン、金の調達を停止するよう通知した」と説明したという。通知時期などは明かされなかった。

 

■タンタルやタングステン、犯罪組織運営の小型鉱山で生産か

 コンゴは鉱業が実質総生産(GDP)の3割を占める鉱業資源国。銅やその副産物としてのコバルトの生産で知られるが、錫やタンタル、タングステンなども生産し、タンタルの生産量は世界首位だ。ただ、JOGMECによると国営や中国系などの関与が多い銅やコバルトと違い、タンタルやタングステンは中小零細の鉱山で生産されることが多い。このため、犯罪集団が鉱山を運営するケースも多いとされる。

 

コンゴの重要鉱物生産量

(出所:JOGMEC)

 

 コンゴに限らず、資源国には政治的な不安定さを抱える国も多く、アップルに代表される先進国企業のサプライチェーンはその部分を裏に表に利用してきた面がある。分野が違うが、最近はユニクロの新疆綿を巡る柳井正会長の発言が中国で物議をかもすなどのケースもあった。コンプライアンス意識の高まりで企業側に自制とバランス感覚が求められる一方、力を付けてきた資源国側にも、搾取されるだけにはとどまらないとの意思が強まっている。

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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