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ダイセキ(9793) 25/2Q3説明メモ ニュートラル継続

25/2期4.6%減収1.4%営利減予想に増額修正も再増額で最高益更新期待

株価3885円(1/8) 時価総額1981億円  発行済株51,000千株

PER(25/2期DO予19.8X)PBR(2.27X)配当(25/2DO予)73円  配当利回り:1.9%

 

要約

・25/2Q3は3.4%減収9.4%営利減とほぼ計画なみで着地、Q3累計は収益で過去最高

・25/2期4.6%減収1.4%営利減予想に増額予想も再増額期待で利益最高更新へ

・中計で27/2期売上高745億円、営利160億円達成目指すが前倒し達成期待

 

25/2Q3は3.4%減収9.4%営利減とほぼ計画なみで着地、Q3累計は収益で過去最高

 

   1/6に25/2Q3決算が発表され、同日決算説明資料が開示された。25/2Q3は売上高172.41億円(計画比3.41億円増額、3.4%減)、営業利益38.00億円(同同額、9.4%減)とほぼ計画通りの収益に。

 

 ダイセキ単体の25/2Q3は、売上高99.43億円(計画比1.57億円未達、3.5%増)、営業利益28.76億円(同0.76億円増額、2.6%増)、25/2Q3累計で売上高292.81億円(同期比4.6%増)、営利84.97億円(同4.3%増)となり、累計では全項目で過去最高額更新となった。Q3での連結構成比では売上57.7%、営業利益では75.7%を占めた。

 

 売上面では国内鉱工業生産が伸び悩みながら一進一退で推移も、鉱工業生産の伸びを上回る売上拡大を続けている。収益性ではリサイクル燃料の出荷が好調に推移し、粗利益率で累計41.9%は計画比1.1ポイント上回って推移した。

 

 地域別では 最大売上の名古屋地区が26.98億円(計画比1.24億円増額、7.3%増)、関東20.48億円(同1.15億円未達、6.1%減)、九州18.52億円(同0.84億円未達、4.8%減)、関西14.25億円(同0.44億円未達、0.3%減)など。なお27年ぶりに開設した広島が2.36億円(同1.31億円未達)にとどまったことが売上面で多少影響した。

 

 単体以外ではダイセキ環境ソリューションが25/2Q3は売上高52.68億円(計画比4.70億円増額、11.4%減)、営業利益6.04億円(同0.28億円未達、25.5%減)と売上で増額、利益でやや未達となった。使用済みバッテリーのリサイクルを行うダイセキMCRは、売上高11.97億円(計画比1.44億円増額、4.8%増)、営利1.30億円(同0.65億円未達、56.8%減)と収益振れに。特に利益面で鉛相場の前提が2036$/tに対し2036$/t(想定比76$/t安)、為替も円安153.8円に対し152円で推移、10年に一度の大規模修繕を行いQ2で1.5カ月工場を休止した影響もある。大型タンク洗浄を手掛けるシステム機工は、売上高9.88億円(同0.31億円未達、18.1%減)、営利1.78億円(同0.36億円増額、38.0%減)と、2今上期に高収益案件が集中した反動減が影響、但しQ3累計では計画比上振れしている。

 

 全体を通じ、Q3累計での進捗率が売上高で期初計画比76.3%、営業利益で79.5%、経常利益で82.0%と多少上振れで推移している。

 

 

25/2期4.6%減収1.4%営利減予想に増額予想も再増額期待で利益最高更新へ

 

 25/2Q3累積進捗率が堅調であること、ダイセキで新規工場取引獲得などからシェア向上が期待されること、改めて円安に推移しているなどで会社計画を多少増額修正、配当については6円増配し年間72円とする予想とした。25/2期修正予想は売上高660億円(期初計画比4億円増額、4.6%減)、営業利益146億円(同6億円増額、1.4%減)、経常利益150億円(同9億円増額、2.9%減)、税引利益93億円(同6億円増額、1.7%減)予想とした。

 

 会社別で具体的な変更はせず、ダイセキ本体は売上高395億円(6.3%増)、総利益160億円(5.1%増)、営利108億円(3.2%増)予想と単独として連続最高収益更新予想。ダイセキ環境は大型案件の反動減から売上高177.54億円(26.4%減)、営利22.44億円(19.6%減)予想。ダイセキMCRも10年に一度の大規模修繕を実施、1.5カ月工場休止影響から売上高40.24億円(0.7%減)、営利3.68億円(60.4%減)予想。システム機工は前期の天候不順影響などがなくなり売上高43.0億円(8.9%増)を見込むが大型案件なく営利5.73億円(0%増)に止まる見通し。ニュアンスとしてはダイセキ本体でシェアアップ、ダイセキMCRが鉛市況、円安で増額などを想定している模様。

 

 現状、ダイセキ単体で半導体産業など収益性の高い産業の生産回復から収益の増額が見込まれる。またダイセキ環境ソリューションについてQ3までで大型受注獲得から増額が期待される。ダイセキMCRは大規模修繕にもかかわらず稼働回帰するとともに鉛市況が想定を上回る見通しで増額期待などがあり。このため連結決算で会社想定を超す増額修正が期待され、売上は減収に止まるも、経常利益、税引利益ともに最高益更新が期待される。

 

中計で27/2期売上高745億円、営利160億円達成目指すが前倒し達成期待

 

  同社は27/2期に売上高745億円、営利160億円を中計目標として掲げる。27/2期までの3年間は、長期目標「VISION2030」(31/2期に売上高1500億円、営業利益250億円の達成)への布石を講じる時期と考え、利益の成長は緩やかな見通しとなっている。

 

 

 現状、25/2期について増額修正が見込まれ、増益維持が期待され、最高益更新が見込まれる。また金額は小さいが、12/13に大阪油化のTOBを発表、大阪油化買収により3つのシナジー効果を期待している。具体的には①大阪油化が保有する蒸留に関する技術やノウハウを活用し、同社がリサイクル困難としていた廃液のリサイクルが可能となり、より幅広い品目の廃液をリサイクル製品の原料とすることが可能となる。②近年、廃溶剤から不純物を取り除き再生させるマテリアルリサイクルに対する顧客からの要望が強くなっており、このニーズへの対応を強化できる。③同社は半導体産業が多く立地する九州、西日本、中部、北海道に事業用地を保有しており、大阪油化と協働することで半導体産業への対応力を強化できるなどが挙げられる。26/2期についても堅調な収益の拡大が可能とみられ、大阪油化分が上乗せされ、27/2期中計の前倒し達成が期待される。

 

  同社株価は7/1の25/2Q1発表で第1四半期として経常利益最高額を更新、特にダイセキ単独では収益全てでQ1収益の更新となったこともあり、7/2に3860円まで戻り高値となった。その後は市場混乱もあり8/5に3145円まで下落したあと、戻り歩調となり、3600円から4000円の往来相場が続いている。現状、25/2期会社修正予想EPS193.23円に対しPER20.1倍は、大栄環境の20.7倍とほぼ同様、AREホールディングス9.8倍、TRE11.1倍、松田産業9.7倍と比較し割高となっている、25/2期は会社予想単体ベースで最高益更新中であり、連結でも増額修正で最高益更新が期待される。但し連続連結最高益更新が続く見通しも本格的な成長は26/2期以降とみられ、株価としてはニュートラル継続と考える。

 

*ダイセキ(9793)と大栄環境(9336)、TRE(9247)、ARE(5857)との比較

 

 

(H.Mirai)

 

 

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