中国の酸化アンチモン輸出、24年は15%減 秋からの輸出制限響く、足元では急減改善

中国メディアの新浪網が1月20日に中国税関総署のデータとして伝えたところによると、中国の2024年の酸化アンチモンの輸出量は前年比15%減の3万420トンだった。中国は同年9月15日からアンチモンを輸出規制の対象とし、10月以降に西側諸国向け輸出が減少した。ただ、新興国向け輸出が伸びて衝撃を和らげ、足元では輸出急減は改善しつつある。
■輸出規制で米国向けは10月以降ゼロ
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報道によれば、中国の酸化アンチモンの輸出量は12月単月では1570トンと前年同月比44.9%減った。ただ、前月比では2倍の増加で、前月比で99%減った10月の衝撃からは立ち直った。10月はアンチモン製品全体も前月比で97%減っていた。11月の酸化アンチモンの輸出量は776トンで、前年同月比72.2%減、前月比で18倍の増加だった。
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輸出規制の結果は如実に表れている。2024年通年の酸化アンチモン輸出量を輸出先地域別にみると、米国や日本、韓国などへの輸出量は軒並み2割減となった。9月に単月で1600トンを輸出し最大の輸出先だった米国向けが10月以降はゼロになった。反対に、9月に141トンだったタイ向け輸出が12月に285トンにほぼ倍増するなど新興国向け輸出が増えたが、全体を相殺するまでには至らなかった。
■精鉱輸入は46%増
中国はアンチモン精鉱やアンチモン粉末といったアンチモン原材料を加工用に輸入している。2024年の輸入量は5万1080トンで、前年比46.0%増えた。12月単月では前年同月比13.7%増の2068トンだった。タイやミャンマーからの輸入が堅調だった。
(IR Universe Kure)
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