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レアアース市場近況2025#3 春節明けで小幅上昇 ネオジムとテルビウムが節目越え

 2025年1月下旬~年2月上旬のレアアース市況は小幅に上昇している。中国の春節(旧正月)連休が明けたばかりでメーカーが生産を本格的に開始しておらず、一時的に供給がひっ迫している。政治情勢が不安定なミャンマーからの鉱石輸入を不安視する見方もくすぶり、供給悪化懸念が価格を押し上げている。

 

■春節明けとミャンマー不安で供給ひっ迫

 中国のレアアース業界団体である中国稀土協会が2月7日に発表した1月のレアアース価格の平均値は167.5と、2024年12月の166.1から小幅に上げた。最低が1月2日の163.8、最高が1月23-27日の170.0で、日が経つほどに値を上げた。2月8日の同指数は175.6287。

 

中国レアアース指数の推移

(出所: 中国稀土協会)

 

 上海有色網(SMM)は2月7日付のレポートで、中国のレアアース市場について「連休が明け、川下の取引先からの問い合わせが入るにつれて、多くの関係者が市場の先行きに楽観的な姿勢を取るようになった」と分析した。

 ただ、「物流を含め生産が本格的に再開していないいため、実際の取引は少ない」とも指摘。需要は依然として振るわず、供給サイドの問題で価格が下支えされているとしている。

 

■ネオジム71ドル台、テルビウム1000ドル台回復

 海外市場でも多くが小幅に上昇した。金属ネオジムと金属テルビウムは同調した動き。2月6日に金属ネオジムが仲値71.05/Kg、金属テルビウムは仲値$1010/Kgを付け、$71と$1000の節目をそれぞれ回復した。いずれも2024年11月下旬以来の高値となる。

 

金属ネオジムの価格推移(99% FOB China)($/Kg)

 

金属テルビウムの価格推移(99% FOB China)($/Kg)

 

 金属ジスプロシウムも2月6日に仲値$295/Kgに上げた。こちらは2024年12月中旬日以来の高値となる。

 

金属ジスプロシウムの価格推移(99.5% FOB China)($/Kg)

 

 ただ、いずれも長期で見れば2022年春をピークにじり安の展開だ。需要が戻ったとは言えない状況にある。

 

■ランタンは下値余地が限定

 一方、金属ランタンは2024年12月5日付けた仲値$3.2/Kgから2か月以上に渡り横ばいが続く。水準としては過去20年間での最安値圏で、下落余地も限られている。

 

金属ランタンの価格推移(99% FOB China)(S/Kg)

 

 

 

<Topic>

●2月4日

 ロイター通信は2月4日、ウクライナのゼレンスキー大統領が同日、同国のレアアースについて、「米企業による投資にオープン」と述べたと伝えた。

 これに先立ち、2月3日のカナダCBCニュースは、トランプ米大統領が同日、ホワイトハウスの大統領執務室で、「ウクライナがロシアに対する戦争努力を財政的に支援するための支払いとして、米国にレアアースを供給することを望んでいる」と述べたと伝えていた。

 

関連記事: トランプ関税、漁夫の利はどこ? 中東、インド、ウクライナ…変化ディールに供給網を再構築 | MIRU

 

●1月29日

 インド鉱山省は1月29日、ホームページ上で、2030-2031年財政年度までの7年間のレアアースを含む重要鉱物戦略を発表した。1630億ルピー(約2910億円)を開発費として割り当てる。

 

関連記事:インド、重要鉱物に2910億円割り当て 探査強化し輸入依存低減へ、7年間の戦略発表 | MIRU

 

●1月28日

 米レアアース生産のUSAレアアース(USA Rare Earth、USARE)」は1月28日、自社ホームページ上で、「純度99.1重量%の酸化ジスプロシウムのサンプルの生産に成功した」と発表した。

 

関連記事: 米USAレアアース、酸化ジスプロシウムの生産に成功 脱中国依存に一歩 | MIRU

 

●1月22日

 オーストラリアの西オーストラリア(WA)州政府は1月22日、ホームページ上で、レアアース抽出に関する研究に支援金を供給すると発表した。

 

関連記事: レアアース抽出に関する新研究への資金提供が決定 豪WA州政府 | MIRU

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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