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ステンレス鋼鋼材 仕入れ先別輸入量推移 2024年12月及び2024暦年

アイアールユニバースでは、ステンレス鋼鋼材の過剰輸入、品種の拡大を懸念して、経済産業省の業界別輸入モニタリングシステム(鉄鋼編)を用いて注視している。

 

2024年12月のステンレス鋼鋼材累計(鋼板類、棒鋼類、線材及び形鋼)輸入量は前月(2万859トン)比17.4 %増の2万4,491トンとなった。2024年4月から2万トン超えを継続。前年同月(1万8,523トン)比では、32.2%増と、13か月連続の増加となった。

 

2024暦年ステンレス鋼鋼材累計輸入量は27万6,020トンとなり、2023暦年(22万728トン)比25.0 %増となった。過去最多となった2022暦年(28万8,451トン)を下回ったが、過去2番目に多い水準となった。

 

鉄鋼連盟の統計値を基とした記事は下記をご参照ください。但し、12月及び2024暦年は速報値である。

鉄鋼輸出入実績 2024年12月(速報)及び11月実績 ②輸入 ステンレス鋼材 | MIRU

なお鉄鋼連盟におけるステンレス鋼材の集計は61コードの集計であり、鋼管も含まれている。仕入先別では主要3か国(韓国・中国・台湾)の情報となる。

 

図1に、モニタリングシステムによるステンレス鋼鋼鋼材累計(鋼板類、棒鋼類、線材及び形鋼)輸入量の暦年推移を示す。モニタリングシステムを併用することで、その他の仕入先の情報が入手できる。

 

主要国以外では、2022暦年にはタイから1万トンが入荷したが、その後減少。一方、インドネシアが増加し、タイを超えたことが分かる。2021暦年のインドネシアからの輸入量は296 トン、2022暦年の輸入量は756トンであった。その後、2023暦年では2,530トンに達し、2024暦年では更に増加し4,647トンとなった。

 

図1 ステンレス鋼鋼鋼材累計(鋼板類、棒鋼類、線材及び形鋼)輸入量:暦年推移

 

<暦年 振り返り>

2022暦年上期は、国内メーカーの供給余力が限られていたことや、国内材の値上げに対して、割安な輸入材を手当しようとする動きで輸入量が急増した。

その結果、2022暦年のステンレス鋼鋼材累計輸入量は、2021暦年(26.2万トン)比10.1 %増の28.8万トンと過去最多となった。

 

2023暦年(1-12月累計)のステンレス鋼鋼材累計輸入量は22万728トンとなり、22暦年(28万8,451トン)比、23.5 %減となり、2022暦年を下回った。

 

仕入れ先別、2023暦年のステンレス鋼鋼材累計輸入量は中国6.4万トン、韓国8.8万トン、台湾5.8万トンとなり、2022暦年(中国10.9万トン、韓国9.5万トン、台湾6.7万トン)を共にを下回った。

 

2023暦年、その他の国からのステンレス鋼鋼材累計輸入量は、インドネシア2,530トン(前暦年756トン)、スウェーデン1,108トン(前暦年1,866トン)、タイ2,746トン(前暦年1.02万トン)、ベトナム207トン(暦年580トン)だった。

 

<2024暦年>

2024暦年輸入量、主要仕入先別では、

世界計が27万6,020トン[鋼管類を含む鉄鋼連盟統計(速報)では29万5,313トン]

韓国が10万238トンと、2023暦年(8万8.363トン)比13.4 %増、

中国が10万1,212トンと、同(6万4,128トン)比57.8 %増、

台湾が6万3,198トンと、同(5万8,195トン)比8.6%増となった。

 

その他の仕入先別では、

インドネシアが4,647トンと、2023暦年(2,830トン)比64.2 %増、

タイは2,282トンと、同(2,746トン)比10.3 %減、

スウェーデンは994トンと、同(1,108トン)比16.9 %減となった。

 

<2024年 12月>

2024年12月のステンレス鋼鋼材累計(鋼板類、棒鋼類、線材及び形鋼)輸入量、仕入れ先別では、

韓国が7,330トン(前月8,281トン)、

台湾が4,662トン(前月4,681トン)、

中国が1万1,210トン(前月6,742トントン)、

インドネシアが826トン(前月507トン)、

タイが204トン(前月371トン)、

スウェーデンが94トン(前月67トン)、

アメリカが46トン(前月108トン)となった。

 

<モニタリングシステムとは>

ここで、モニタリングシステムを紹介する。

輸入動向を調べる(モニタリングシステム) (METI/経済産業省)

 

輸入モニタリングシステムによる、鉄鋼(鋼材計:鋼塊・半製品・鋼線を除く)

輸入金額及び輸入数量の年次推移を下図に示す。

2024暦年の輸入金額は2023暦年を上回り、2014暦年以降で最高となった。

2024暦年の輸入数量は2023暦年を上回り、コロナ禍後では、最大となったことが分かる。

輸入数量上位順位は、第1位 大韓民国、第2位 台湾、第3位 中華人民共和国、

第4位 ベトナム、第5位 タイとなる。

 

 

ステンレス鋼鋼材累計(鋼板類、棒鋼類、線材及び形鋼)輸入金額及び輸入量推移は、下図となる。

目的とする品種を選択することで、月別又は年度別推移を一瞬で確認できる。

さらに、データをダウンロードすることで、図1に示したように、目的とする図を完成することができる。

 

 

 

《経済産業省のモニタリングシステムによる集計結果から》

 

<主要国からのステンレス鋼鋼材(鋼板類、棒鋼類、線材及び形鋼 合計)月別輸入量推移 図2、図3>

 

2024年12月のステンレス鋼鋼材累計(鋼板類、棒鋼類、線材及び形鋼)輸入量は前月(2万859トン)比17.4 %増の2万4,491トンとなった。2024年4月から2万トン超えを継続。前年同月(1万8,523トン)比では、32.2%増と、13か月連続の増加となった。

 

仕入れ先別では、韓国が7,330トン(前月8,281トン)、台湾が4,662トン(前月4,681トン)、中国が1万1,210トン(前月6,742トントン)、インドネシアが826トン(前月507トン)、タイが204トン(前月371トン)、スウェーデンが94トン(前月67トン)、アメリカが46トン(前月108トン)となった。

 

その他の仕入れでは、マレーシア23トン、イタリア21トン、オーストリア20トン、スペイン17トン、フランス13トン、ベトナム5トン、ドイツ3トン及びフィリピン3トンとなった。

 

経済産業省のモニタリングシステムによる、ステンレス鋼輸入量(鋼板類、棒鋼類、線材及び形鋼 合計)の仕入れ先別輸入量推移を図2に示す。

 

2024年12月の鋼板類、棒鋼類、線材及び形鋼トータルの輸入量[茶色 折れ線(右軸)]は、2万4,491トンとなり、前月(2万859トン)比17.4 %増、2023年同月(1万8,523トン)比32.2 %増となった。

 

2024年の鋼板類、棒鋼類、線材及び形鋼累計の輸入量は、2024年3月を除くと2万トンを超えて推移している。

 

2014年1月~2024年12月迄輸入量推移

図2 ステンレス鋼合計(鋼板類、棒鋼類、線材及び形鋼)仕入れ先別輸入量推移

 

図2(水色折れグラフ)に示すように、インドネシアからの輸入傾向が大きく変化している。

インドネシアからの輸入材は、すべて鋼板類である。

 

図3に、直近2019年1月からの仕入れ先別輸入量推移を示す。

 

直近:2019年1月~2024年12月迄

図3 ステンレス鋼合計(鋼板類、棒鋼類、線材及び形鋼)仕入れ先別輸入量推移

 

仕入れ先別特徴は、これまで輸入量第1位であった韓国(図3右軸 緑棒グラフ)からの輸入量は、2022年5月に中国に1位を譲ったものの8月及び9月には再び1位に戻した。しかし、2022年9月初頭のポスコの浦項製鉄所が受けた台風被害により、10月~2023年2月まで、0.4万トンを下回って推移していた。

3月から0.5万トンを上回り再び1位を取り戻すとともに、輸入量は台風被害前に戻しつつあったが、2021年のように1万トン超えてはいない。

2024年4月、韓国と中国は共に、1万トンを超えた。2024年5月からは韓国は中国からの輸入量を下回って推移したが、11月は中国材が減少し、1位となった。12月は中国が1万トンを超え、再び1位を譲った。

 

台湾(図2右軸 青棒グラフ)からは2022年1 月に2014年以降で最大の輸入量0.66万トン台となり、その後3月に0.77万トン、6月には更に増加し0.88万トンと最高値を更新して韓国を超え中国に続く2位に浮上した。7月からは再び3位に戻し10月は0.29万トンとまで減少したが、11月は0.48万トンとなり、韓国からの輸入量を超え、2位に返り咲いた。12月は0.32万トンまで減少したが、2023年1月は急増し0.98万トンとなり再び1位となった。3月から3位に戻して推移し、6月及び8月は中国を超えたが、9月からは中国を下回り、その後は第3位を維持している。

 

一方、中国(図2右軸 赤棒グラフ)からの輸入量は、2022年6月に1万トンを超え、輸入量第1位となった。7月も1.25万トンと高値を維持したが、8月及び9月は0.7万トンを下回った。11月及び12月は再び1万トンを超えた。ポスコの浦項製鉄所代替としてポスコ張家港不錆鋼からの輸入が増大したことによる。2023年1月からは、0.5万トンを上下して推移し、3月から順位は2位となった。6月及び8月は台湾に譲ったが、9月は台湾材が減少したことにより、2位を取り戻し、その後第2位を維持。2024年5月から、再び第1位となっていたが、11月は7万トンを下回り、2位となった。

 

輸入額では、12月は、韓国34.09億円(前月34.09億円)、台湾18.86億円(前月18.86億円)、中国38.83億円(前月25.06億円)、インドネシア2.75億円(前月1.69億円)、米国2.26億円(前月3.61億円)だった。

 

暦年のステンレス鋼合計(鋼板類、棒鋼類、線材及び形鋼) 仕入先別平均単価の暦年推移を図4に示す。

 

図4 ステンレス鋼合計(鋼板類、棒鋼類、線材及び形鋼)仕入れ先別 暦年単価推移

 

2024暦年の平均単価は、韓国393円/kg(2023暦年419円/kg)、中国357円/kg(前暦年384円/kg)、タイ420円/kg(前暦年446円/kg)、台湾399円/kg(前暦年404円/kg)及びインドネシア317円/kg(前月337円/kg)は共に、前暦年より単価を下げた。

 

12月の月単価は、韓国395円/kg(前月412円/kg)、中国346円/kg(前月372円/kg)及びインドネシアは333円/kg(前月334円/kg)は前月より単価を下げた。タイ445円/kg(前月417円/kg)、台湾414円/kg(前月403円/kg)は前月より単価を上げた。

 

参考記事

ステンレス鋼材国内市場近況2025 #6 2024年11月/12月 ステンレス鋼生産・輸出・輸入 | MIRU

ステンレス鋼材国内市場近況2025#8 相変わらずの需要不振でNi系、Cr系ともに下落基調 期待の半導体向けも・・ | MIRU

 

鋼板類、棒鋼類、線材及び形鋼については、別報とさせていただきます。

 

なお、鉄鋼連盟による輸入統計品目からステンレス鋼の品目コード(61コード)を下記表に示す。

個々の品目コードによる輸入量の確認は、下記URL財務省貿易統計より行うことができますので、

MIRU読者の皆様で、ご関心のあるものがありましたら、追跡調査を行いますので、ご要望をご連絡ください。

貿易統計 :統計品別推移表 :条件入力 :財務省貿易統計 Trade Statistics of Japan

 

 

 

(IRUNIVERSE tetsukoFY)

 

 

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