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レアアース市場近況2025#4 上昇、中国政策で供給懸念 ウクライナやミャンマーも 警戒

 2025年2月中旬~2月下旬のレアアース市況は上昇している。中国当局がレアアースの規制強化につながる公告を発表し、供給ひっ迫懸念が強まった。レアアース鉱石の生産国であるミャンマーの政情不安が続くほか、米国とウクライナの関係でレアアースが政治利用されることへの警戒も供給懸念につながり、多くの鉱種が2024年秋以来の高値に上げた。

 

■中国のレアアース産業、国家の管理が一段と厳しく?

 中国のレアアース業界団体である中国稀土協会が日次で発表しているレアアース価格の平均値は2月20日に181.0と、前日の176.7から上昇した。2024年9月以来の高値となる。春節(旧正月)連休前の1月末に170台を回復してから連休を挟んで水準を切り上げ、ついに180台を回復した。

 

中国レアアース指数の推移

(出所: 中国稀土協会)

 

 中国工業情報化省の原材料工業部門は2月19日、レアアースの採掘と製錬量を巡る枠組み作成について、公衆からの意見公募を始めた。

 

関連記事:工業情報化省は『レアアース採掘とレアアース製錬分離総量コントロール管理弁法(暫定)』を発表 | MIRU

 

 もし法令作成が実現すれば、中国のレアアース産業に対する国家のコントロールが強まる可能性がある。上海有色網(SMM)は2月20日付のレポートで中国証券会社のアナリストらの意見を取り上げ、「国有大手に産業が集約されていく可能性がある」との見方を伝えた。

 

■ネオジムなど秋以来の高値、ランタンは横ばい

 海外市場でも上昇基調が続く。金属ネオジムは2月20日に2024年10月以来、金属テルビウムと金属ジスプロシウムは11月下旬以来の高値をそれぞれ回復した。いずれも2月に入り毎週のように値を上げている。SMMは2月前半に引き続き「ミャンマーの鉱石輸出への不安などが意識されている」と説明。ただ、「供給ひっ迫を口実に川上の生産企業の価格引き上げ意欲は強い半面、川下の取引先の購買意欲は低く、実際の取引成立は多くない」とも指摘した。

 

金属ネオジムの価格推移(99% FOB China)($/Kg)

金属テルビウムの価格推移(99% FOB China)($/Kg)

金属ジスプロシウムの価格推移(99.5% FOB China)($/Kg)

 

■ランタンは下値余地が限定

 金属ランタンは2024年12月5日に付けた仲値$3.2/Kgから3か月近く横ばいが続く。水準としては過去20年間での最安値圏。超硬向け需要の低さから反発理由に乏しいが、下落余地も限られて動きが出ない。

 

金属ランタンの価格推移(99% FOB China)(S/Kg)

 

<Topic>

●2月19日

 三井金属鉱業は2月19日、「完全子会社でレアアースの精製・販売を手掛ける日本イットリウムを4月1日付で吸収合併する」と発表した。

 

関連記事:三井金属は子会社の日本イットリウムを吸収合併――レアマテリアル事業部として新発足 | MIRU

 

●2月15日

 ウクライナのゼレンスキー大統領は2月15日、訪問先のドイツ・ミュンヘンで、米国が求めていた鉱物供与への合意について「2月12日にサインを拒否した」と明かした。ロイター通信などの外電が2月16日に伝えた。米国とウクライナの溝が深まる中、レアアースが両国の関係を握るカギとなっている。

 

関連記事: ウクライナ、米国への鉱物供与を拒否 外電報道 米はレアアースなどの50%を要求 | MIRU

 

●2月12日

 オーストラリア議会は2月12日、重要鉱物と再生可能水素の生産時の税優遇措置「Critical Minerals Production Tax Incentive(CMPTI)」を可決した。

 

関連記事:豪州からの風#37 重要鉱物に対する画期的な税制優遇法案が可決 投資促進の期待 | MIRU

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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