4月の銅の概況及び5月の見通し 橋本アルミ(株)橋本健一郎
予想レンジ
LMEセツル 9500-10500ドル →↑
建値 141万-167万円 →
為替 145~155円 (1か月間TTM) 円安
■国際概況
トランプ政権の関税(自動車含む)発動・発表への警戒感や中国が報復関税(34%)発表 → 世界景気後退懸念などの悪材料もあったがトランプ政権が相互関税の90日停止を発表、
上海株の続伸 → 中国需要減少懸念の後退を受け上昇。
月末日 スタート価格から276ドル下落の9487.5ドル。
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
150.82 → 143.57(円)
出典 MIRU
【国内指標】
【自動車生産】
生産動態統計によると3月の自動車生産台数は前年比+1.5%の68万8025台
輸出は前年同月比+2%の33万7643台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると4月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+4.6%の21万7064台
自動車生産台数
出典 生産動態統計
自動車販売台数推移
出典 日本自動車販売協会連合会
【住宅着工戸数】
3月の新設住宅着工は,持家,貸家,分譲住宅が増加したため,全体で前年同月比39.1%の増加となった。また,季節調整済年率換算値では前月比34.1%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 89,432戸。
・前年同月比 39.1%増, 2か月連続の増加
○新設住宅着工床面積は 6,827千㎡。
・前年同月比 40.7%増, 2か月連続の増加
○季節調整済年率換算値では 1,080千戸。
・前月比 34.1%増, 2か月連続の増加
出典 国土交通省統計
【伸銅品生産】
3月の伸銅品生産量速報値は、57,740トンで、前年同月比2.6%増加しました。これは2か月ぶりのプラス
出典 日本伸銅協会
【日本電線工業会発の出荷速報(推定)】
出荷量:48,100トン(銅量ベース)
前年同月比:8.7%減
減少傾向:5か月連続のマイナス
主因:建設・電販部門の低迷が大きく影響
出典 日本電線工業会
◆貿易関連指標
【輸出】
電気銅 +9.5%の7万5637t
スクラップ -30.1%の2万8338t
輸出推移
【輸入】
電気銅 -23.8%の444t
スクラップ +20.2%の2万2369t
輸入推移
出典 財務省 貿易統計
■国内概況まとめ
【自動車生産】
生産動態統計によると3月の自動車生産台数は前年比+1.5%の68万8025台
輸出は前年同月比+2%の33万7643台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると4月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+4.6%の21万7064台
【住宅着工戸数】
3月の新設住宅着工は,持家,貸家,分譲住宅が増加したため,
全体で前年同月比39.1%の増加となった。また,季節調整済年率
換算値では前月比34.1%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 89,432戸。
・前年同月比 39.1%増, 2か月連続の増加
○新設住宅着工床面積は 6,827千㎡。
・前年同月比 40.7%増, 2か月連続の増加
○季節調整済年率換算値では 1,080千戸。
・前月比 34.1%増, 2か月連続の増加
【伸銅品生産】
3月の伸銅品生産量速報値は、57,740トンで、前年同月比2.6%増加しました。これは2か月ぶりのプラスとなり、回復の兆しが見られます。しかし、依然として低水準であり、2022年以降、月間生産量が6万トンを超えていない状況が続いている。
2025年3月の伸銅品の生産量は、14品目中8品目が前年同月実績を上回った。
AI関連以外の半導体向けの需要も底を超えて、回復の兆しが見えてきた。まだ伸銅品の生産の数字に表れないが、車載向けの一部やデータセンター向けのリードフレームの注文が入ってくるようになった。自動車向けの伸銅品は、国内と北米向けの自動車が良い。ただ、欧州やアジア向けが停滞気味である。スマートフォン向けの需要は安定している。パソコンもOS切替の生産向けの注文が増えてきた。ただ、情報家電や生活家電向けの需要はまだ回復してこない。
【電線】
出荷量:48,100トン(銅量ベース)
前年同月比:8.7%減
減少傾向:5か月連続のマイナス
主因:建設・電販部門の低迷が大きく影響
【輸出】
電気銅 +9.5%の7万5637t
スクラップ -30.1%の2万8338t
【輸入】
電気銅 -23.8%の444t
スクラップ +20.2%の2万2369t
【見通し】
【自動車】
3月の自動車生産が+1.5%。4月国内販売台数が前年比+4.6%
販売、生産共に増加。
トランプ関税による自動車販売減への影響への警戒感が高いが内需の回復と輸出の安定により、全体として前向きな見通しが立てられています。
【伸銅品生産】
3月の伸銅品生産量速報値は、57,740トンで、前年同月比2.6%増加しました。これは2か月ぶりのプラスとなり、回復の兆しが見られます。しかし、依然として低水準であり、2022年以降、月間生産量が6万トンを超えていない状況が続いている。
2025年3月の伸銅品の生産量は、14品目中8品目が前年同月実績を上回った。
AI関連以外の半導体向けの需要も底を超えて、回復の兆しが見えてきた。まだ伸銅品の生産の数字に表れないが、車載向けの一部やデータセンター向けのリードフレームの注文が入ってくるようになった。自動車向けの伸銅品は、国内と北米向けの自動車が良い。ただ、欧州やアジア向けが停滞気味である。スマートフォン向けの需要は安定している。パソコンもOS切替の生産向けの注文が増えてきた。ただ、情報家電や生活家電向けの需要はまだ回復してこない。
【電線】
出荷量:48,100トン(銅量ベース)
前年同月比:8.7%減
減少傾向:5か月連続のマイナス
主因:建設・電販部門の低迷が大きく影響
内需、輸出ともに減 今後に注視。
【スクラップ景況予想】
銅建値が150万から143万へ一時130万まで暴落に伴い
売り買いが膠着状態
· 購入量:2025年4月の銅スクラップ購入量は、前四半期比で横ばいが中心で、1~3月期の減少から回復なし
· 価格条件:一部で価格条件の引き上げが見られましたが、契約数量の増加には慎重な姿勢が目立つ
· 需給バランス:生産量はわずかに増加しましたが、需要の回復が限定的で、銅スクラップの購入量が大幅に増加する兆しはない
【LME・為替予想】
LME予想
今月は以下の項目に左右される
〇世界的な供給懸念(特に南米)
鉱山労働者のストライキや労使交渉の長期化や老朽化した設備により生産性が低下
水不足や環境規制による生産制限
これらにより、世界の供給量が伸び悩み、価格上昇圧力がかかっている。
〇中国の景気対策とインフラ投資
2025年5月に発表された中国の追加経済対策(5兆元規模の景気刺激策)は、銅需要の急増を後押しする。
これらを踏まえた今月の銅価格は 9500-10500ドル(セツル)との予想。
為替予想 145円~155円
〇米国の金融政策:利下げ観測の動向
米FRB(連邦準備制度理事会)は、2025年前半からインフレ沈静化を背景に利下げを視野に入れた発言を増加
〇日本の金融政策
2025年はその後の経済指標(賃金上昇・物価動向)が鈍化傾向にあります。
その結果、6月時点では「追加利上げ見送り」または「金融緩和的なスタンス維持」という観測が広がり、円売り圧力が強まる要因に。
銅建値に関しては141万-167万円程度と予測。
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