オーストラリアの資源大手BHPグループは17日、同社ホームページ上で、かねて進めていた豪銅・金生産のOZミネラルズの完全買収案が、「豪連邦裁判所から承認を受けた」と発表した。買収は裁判所から証券取引所への通告日である18日を起点とし、5月2日に発効する。買収に伴い、OZミネラルズは18日、豪証券取引所(ASX)での上場を廃止した。
買収額は約96億豪ドル(約8700億円)。BHPは4月24日午前7時時点のOZミネラルズの株主に対し、1株当たり現金26.50豪ドルと特別配当1.75豪ドルの合計28.25豪ドルを支払う。OZミネラルズは2022年夏にBHPから買収を提案された際には拒絶したが、4月13日の株主総会では買収案を承認していた。
BHPにとってOZミネラルズの買収は銅の生産拡大につながると見られている。実際、BHPは銅事業への意欲を見せており、ネットニュースのmining.comは4月18日、「BHPがロイヤルティー税の引き下げでチリ政府に揺さぶりをかけている」と伝えた。チリのエスコンディーダ銅山について、一定の税率引き下げが実施された時点で10億米ドル程度の追加投資を行うことを提案しているという。報道によれば、チリのロイヤルティー税は既に平均実効税率が推定46%まで引き下げられたが、BHPは他国では41%~ 44%だと主張しているとされる。
(IRuniverse Kure)