スイスの資源大手グレンコアと、カナダのリチウムイオンバッテリーのリサイクル企業であるLi-Cycleが共同で建設を計画している、欧州での電気自動車(EV)バッテリーのリサイクルハブの建設計画が難航している。建設予定地となったイタリア・サルデーニャ政府が計画承認を拒否したと伝わり、両社は代替案を迫られているようだ。
ロイター通信は10月2日、サルディーニャ島政府が9月29日に、両社の建設計画の承認を拒否したと伝えた。報道によると、グレンコアはハブの代替案を探すとみられているという。
これに先立ち、Li-Cycleは9月18日に自社ホームページ上で、同建設計画が始動したと発表していた。計画では、第1段階としてブラックマス1万1000トンを生産し、ここから年産で炭酸リチウム1500トン、ニッケル3000トン、コバルト500トンをそれぞれ抽出する。第2段階では、ブラックマスの生産量を5000~7000トン拡大する予定で、2024年前半の稼働開始を見込んでいた。
両社は5月に同建設計画を発表。Li-Cycleにとっては初の欧州工場となるはずだった。
(IR Universe Kure)