日本製鉄は20日、高炉水素還元技術において、試験炉で世界初となるCO2削減40%超(実績値43%)を実現し、試験炉での開発目標を前倒しで達成したと発表した。国内外で開示されている実績値を大きく上回る成果だという。
同社は、高炉水素還元の技術開発について、東日本製鉄所君津地区の水素還元試験炉(内容積12㎥)で、加熱した水素を使用してCO2を削減する技術(Super COURSE50技術)の試験を2022年5月から実施。これまでにも2022年に22%、2023年に33%のCO2削減を確認してきた。今回の試験では、炭素に代えて水素での還元を増やしていく際に、加熱した水素利用時の高炉内の熱バランスを改善することで43%削減を実現した。
今後は、スケールアップ技術の開発など、製鉄プロセスからCO2排出を50%以上削減する技術の開発を進め、大型高炉での実用化に向けた取り組みを加速していく考えだ。
(IRuniverse K.Kuribara)