プラチナ価格が一段高。国際価格であるニューヨーク商品取引所(COMEX)での価格は6月26日に$1415/tozと前日比5.3%上昇し、2014年9月以来およそ10年9か月ぶりの高値を付けた。もともと供給不足が意識されていたところに関税を先回り回避した対米輸出が進み、他の市場での品薄に拍車がかかるとの警戒から急伸している。
過去15年間のNYプラチナ価格の推移($/toz)
プラチナは6月に入り$1200の大台を突破したのを機に上昇基調が目立ち始め、6月中は急伸が続いていた。主要生産国である南アフリカの生産量が減る反面、自動車向けをはじめ化学やグラスファイバー、バイオ燃料、合成燃料など工業用の需要が堅調とされる。さらに、高騰する金の代替品として特に中国からの投資需要が増えているほか、米国への先回り輸出で他国の倉庫が品薄になっているとの指摘が浮上した。
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同様の傾向はパラジウムにもみられる。やはり米国向け移送の先回りや投資先分散の流れを受け、6月26日には$1144/tozと2024年10月以来の高値に上げた。
過去1年間のNYパラジウム価格の推移($/toz)
足元では銅相場で、先物と現物の価格が逆転するバックワーデーション現象が続く。バックワーデーションは在庫ひっ迫を示すサインとされている。
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(IR Universe Kure)