一、輸出総量は引き続き縮小し、価格は構造的に上昇した
1、量が下がって価格が上昇する全体的な態勢
中国の蛍石輸出量が前年同期比で減少:国内資源保護政策と海外需要構造調整の影響を受け、2024年1~11月の蛍石輸出総量は22.4万トンにとどまり、前年同期比32.73%の大幅減少となった。25年5月の輸出量は引き続き減少が続く。
輸出平均価格は最高を更新した:蛍石輸出平均価格は2017年の1672・75元/トンから2024年は11ヶ月間で3113.4元/トンに上昇し、上げ幅は86%に達した。5月の平均価格は高品質酸級蛍石(CaF≧97%)の割合の上昇に推進され、あるいは3200元/トンを突破した。
2、品目構造の分化が明らかだ
酸級蛍石主導輸出:高付加価値酸級蛍石(CaF₂≧97%)は下流のフッ化水素酸、フッ化アルミニウムの需要が旺盛で、輸出総量の70%を超え、価格支持の核心となっている。
冶金級蛍石の需要が低迷:鉄鋼業界の低炭素モデルチェンジは冶金級蛍石の需要を弱め、その輸出比率は20%未満に低下した。
三、政策の二重抑圧:国内保護主義+国際関税障壁
1、国内資源管理の強化
採掘制限:2024年3月の「蛍石鉱山安全生産特別整備」で中小鉱山が閉鎖され、原料供給が引き締まった。
輸出許可管理:2023年の政策を継続し、蛍石の輸出に許可証が必要で、割当額はヘッド企業に傾斜する。
輸入代替加速:2024年1~11月の輸入量は118.8万トン(+32.74%YoY)に達し、低ヒ素蛍石の輸入関税引き下げは資源還流を促進した。
2、国際制裁のエスカレート
米国の対中リチウム電池総合税率は48・4%に達し、蛍石川下製品の輸出に連帯して打撃を与えた。
EUの『新電池法』カーボンフットプリントは遡及してコンプライアンスコストを増加させ、蛍石需要を間接的に抑制している。
(25年5月の国別蛍石輸出)

(趙 嘉瑋)