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ペルー、銅の輸送が混乱か 違法採掘者が道路封鎖、軋轢絶えず 外電報道

2025/07/02 17:49
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 ペルーの輸出向け銅の輸送が一部で混乱している模様だ。米ブルームバーグ通信が7月2日に伝えた。現地で蔓延する違法採掘者が、隠れ蓑にしている一時登録制度の恒久化を目指して抗議活動を行い、銅の輸送ルートを封鎖しているという。

 

■一時登録制度の恒久化求める

 報道によると、中国の五鉱資源(MMG)が所有する南部のラス・バンバス銅鉱山と、カナダのハドベイ・ミネラルズが運営する南東部のコンスタンシア銅鉱山からの半加工銅の輸送がそれぞれ中断している。採掘自体には影響は出ていないという。

 原因は、違法の零細採掘者たちが、鉱業合法化登録(REINFO)の恒久化を求めて抗議活動を展開していること。REINFOは一時的な登録制度で、違法採掘の隠れ蓑になっているとの指摘がかねてあり、ペルー政府はもともと廃止を進めていた。ただ、2024年にも抗議活動で道路の封鎖が起きたため、ペルー政府は制度を2025年末まで延長していた。抗議者側は、制度がなくなれば多くの人が生活手段を失うと主張している。

 

■金属価格の高騰が違法採掘を呼ぶ

 ペルーは銅の生産量が世界2位、金が7位の資源生産国だ。だが、違法採掘の蔓延と、環境破壊や劣悪労働などに抵抗する地元住民との軋轢が続き、その産業は課題が多い。特に待遇改善などを求める地元住民と外資系の資源大手との軋轢は強く、たびたび輸送道路の封鎖が発生していた。

 

ペルーの主要金属生産量

(出所:JOGMEC)

 

 また、金属価格の上昇を背景に違法採掘や、それに伴う犯罪行為も増えている。5月には最北部のパタズ州の金鉱で警備員13人が鉱山入り口で殺害される事件が起き、社会問題化していた。

 

関連記事:ペルーの金鉱が治安悪化 警備員13人殺害、金価格高騰で違法採掘が増加 | MIRU

 

(IR Universe Kure)

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