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工作機械工業会6月受注確報 6月0.5%減1331.6億円と9カ月ぶりに同月比減少

2025/07/24 09:40
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6月工作機械受注1331.6億円(0.5%減)と9カ月ぶりに同月比減少


 7/23の15時に日本工作機械工業会の2025年6月工作機械受注確報が開示された。6月受注は1331.6億円(同月比0.5%減、前月比3.5%増)と9ヶ月ぶりに同月比減少となったが、4ヶ月連続1200億円超えとなった。なお前月比では3ヶ月ぶりに増加となり、力強さにかける展開続く。

 


外需0.3%増932.9億円と9カ月連続同月比増ながら前月比3カ月連続減1000億円割れ

 外需は932.9億円(同月比0.3%増、前月比2.5%減)と9カ月連続同月比増も、前月比は3ヶ月連続減少し、3ヶ月連続1000億円割れとなった。主要4業種中で航空・造船・輸送用機械のみ同月比、前月比増に。一般機械は271.0億円(同月比11.4%減、前月比12.8%減)と2ヶ月ぶり300億円割れに。自動車は214.5億円(同月比13.2%増、前月比15.9%減)と4ヶ月連続で200億円超え。電気・精密は123.1億円(同月比17.1%減、前月比11.0%減)と再度130億円割れ。航空・造船・輸送機械は105.5億円(同月比39.4%増、前月比74.9%増)で、6ヶ月ぶりに100億円超え。

 主要3極別ではアジアが466.8億円(同月比6.0%増、前月比6.4%減)と、14カ月連続同月比増、14カ月連続400億円超と堅調持続。東アジアは349.7億円(同月比5.3%増)で、このうち中国は321.8億円(同月比1.5%増、前月比4.0%増)と同月比15ヶ月連続増加、3ヶ月ぶりに前月比も増加。一般機械121.1億円(9.3%減)、自動車122.9億円(40.3%増)とBYDなどのEV投資継続が寄与。電気・精密は52.4億円(1.3%減)。全体として中国の工作機械NC化向上促進への補助金政策が継続も、伸びが小さくなっている。その他アジアは112.8億円(12.2%増)で、インドが51.4億円(同月比10.8%増)と3ヶ月ぶり50億円超、ベトナム29.2億円(3.8倍)などが増加。

 北米は282.4億円(同期比19.7%増、前月比13.9%減)。このうちアメリカは249.3億円(同月比16.5%増、前月比14.0%減)と5カ月連続同月比増加した。米国主要4業種では一般機械60.5億円(7.4%減)と建機向け大型受注が一服、自動車が18.7億円(27.4%)減)とトランプ影響のICE(内燃機関)向け受注の押上げが一服し8ヶ月ぶりの30億円割れ。電気・精密も13.7億円(39.1%減)と3ヶ月連続で15億円割れ。なおメキシコが23.6億円(2.7倍)と、トランプ関税問題が影響しても人件費の安いメキシコでは米国に近く需要は堅調。一方でカナダは9.5億円(28.9%減)と人件費の高さでトランプ関税の影響が出ている模様でメキシコとは対照的な動きが続いている。

 欧州は159.2億円(同月比8.0%減)と18ヶ月連続同月比減に。ドイツ35.5億円(同月比20.5%減)、イタリアは20.3億円(同月比4.7%減)と先月持ち直したが再度同月比減少に。その他はフランス21.71億円(17.0%減)、一方、イギリス17.04億円(11.6%増)が主要国で唯一増加。全体としてさえない動きに。主要業種4業種では電機・精密を除き同月比増。一般機械が50.8億円(9.8%増)、自動車は18.7億円(13.3%増)も7カ月連続の20億円割れでEV不況の影響が大きいとみられ、航空・造船・輸送用機械は17.9億円(28.6%増)と3カ月連続20億円割れ。

 外需全体ではアジアが牽引しているものの伸び率が低下、EUが不振継続で、米国はトランプ関税がプラスに働いている模様も北米としては低調な動き。全体では3ヶ月連続で1000億円割れとなり、中国も一服感が出てきた感があり、世界景気の不透明感と重なり伸び率の低調さが気になる。なお今回、米国相互関税で15%の決着となったことで、価格転嫁でしのげる可能性が十分あるとの感触を工業会では持っており、今後、米国向けの拡大に期待が持てるとのこと。但し中国の不透明感があり、全体として外需伸び率は低調に推移すると見られる。

 

 

 

内需398.7億円(同月比2.3%減、前月比20.8%増)と3カ月連続400億円割れ


 内需は398.7億円(同月比2.3%減、前月比20.8%増)と3カ月連続400億円割れ。主要4業種は同月比で一般機械、電機・精密が増加。一般機械は166.7億円(同月比1.3%増、前月比16.4%増)と、発電・掘削機向けなど堅調も総じて低調。自動車は69.2億円(同月比25.0%減、前月比44.7/%増)とトランプ関税影響などもあり同月比大幅減が3ヶ月連続している。
 

 

 

全体として内外ともにリスク要因、不透明感が強い。但しトランプ関税が一応決着、但し自動車はEVの不透明が継続しており受注の本格回復には時間を要すとみられる。


6月販売7.8%増1287億円、受注残11.1%減7175億円は25ヶ月連続同月比減
 6月販売は1287.68億円(同月比7.8%増)とプラシに転じた。受注残高は7175億円(同期比11.1%減)と2ヶ月連続7000億円乗せも25ヶ月連続同月比減少となっている。

 


 

6月工作機械4社受注8.1%増、工業会同月比源も4社合計は12ヶ月連続増加

 日刊工業新聞が集計している工作機械主要4社の6月受注が7/15に発表された。4社合計で352.09億円(8.1%増)と、12ヶ月連続同月比増加ながら各社国内が同月比減少、輸出が増加し、全体では9ヶ月ぶりに1ケタの伸びにとどまった。

 オークマは146.08億円(12.0%増)と9ヶ月連続同月増で、このうち輸出が101.27億円(22.9%増)と中国で半導体、風力向けが増加し9ヶ月連続増加。一方、国内は44.81億円(5.7%減)と11ヶ月ぶりに同月比減少となった。

 牧野フライスも85.30億円(10.4%増)と12ヶ月連続同月比増加。輸出が65.06億円(14.4%増)となり11カ月連続増加、中国でNEV関連、インドでは自動車向けが増加している。国内は20.24億円(0.6%減)と2ヶ月連続同月比減少した。

 芝浦機械は17.56億円(16.2%増)で、国内が6.04億円(39.3%減)も輸出が11.52億円(2.2倍)と北米で鉱山・発電用タービン向けで増加、国内は見送り続く。
ツガミは103.15億円(18.8%減)で、輸出が98.65億円(1.4%増)と高水準を維持している。

 全体として工業会の伸びを上回っており、これは国内向けが厳しいものの、複合機、高機能機、大型機、米国、中国に強みを持つなどで差別化できていることが要因。一方、全体では専用機や中小企業向けなどをメインとする工作機械会社では受注低迷するなど業種内格差が広がっている。

 

 


 


 

 

 

米国5月工作機械受注同月比2.7%増の3.927億ドル

 7/14 に発表された25 年5月の米国金属加工受注は3.927億ドル(同月比2.7%増、前月比11.8%減)となり、内燃機関向けのまとまった受注、データセンタ向け投資の継続が寄与している。全体として日本以外の関税の行方が不透明であり、経済の不確実性やEV 不振などを受けているが、政府が製造業に向けた減税などのインセンティブが公表され、年後半の回復に期待する向きも出てきた。


 

出所:日本工作機械工業会7月記者会見資料、日刊工業新聞社掲載4社受注よりアイアールユニバース加工

 



 

(H.Mirai)

 

 

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