2025年8月18日~8月24日のバッテリー業界では、次世代電池や電池の二次利用を巡る話題が多かった。三菱電機が宇宙向け電池の開発に協力し、日産自動車は全固体電池の開発で米社と協業すると発表した。一方、トヨタとマツダが車載電池の蓄電池システムへの二次利用を見据えた実験を始め、米クラリオスも欧州で電池リサイクル事業を拡大する意向を示した。
IR Universeは9月25日、第12回Battery Summit を開催する。今回は、中国の金属情報プロバイダーSMM(上海有色網)との共催となる。
9月25日(木) 第12回 Battery Summit in TOKYO | MIRU
日程
2025年9月25日(木)13:00~18:30
2025年9月26日(金)バッテリー関連工場訪問予定
会場
東京国際フォーラム Hall D7
〒100-0005 東京都千代田区丸の内3丁目5-1
<国内>
●三菱電機、衛星向け太陽電池セルの開発でJAXAに協力
(出所:三菱電機の発表資料)
三菱電機は8月21日、自社ホームページ上で、「国産太陽電池セル・カバーガラスと搭載アレイの開発について、国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と契約した」と発表した。衛星に搭載される宇宙用太陽電池セルなどの開発で協力する。
プレスリリース: 宇宙用太陽電池関連部品の開発に関し、宇宙戦略基金事業の代表機関に選定 | 三菱電機
●トヨタとマツダ、車載電池の二次利用で共同実験
(出所:トヨタの発表資料)
トヨタとマツダは8月21日、それぞれの自社ホームページ上で、「車載用電池を活用したスイープ蓄電システムの実証実験を開始した」と発表した。
マツダ本社の工場内で、トヨタの車載用電池を活用したスイープ蓄電システムをマツダ本社内の電力システムへ接続する。車載電池の二次利用に向けた取り組み。
プレスリリース(トヨタ): トヨタとマツダ、電池エコシステムの構築に向け、車載用電池を活用したスイープ蓄電システムの実証実験を開始 | コーポレート | グローバルニュースルーム | トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
●EV電池、世界で3.4倍の生産能力過剰 日経集計
8月21日付の日本経済新聞朝刊は「電気自動車(EV)向け電池の世界生産能力が需要の3.4倍に上ることがわかった」と伝えた。米調査S&Pグローバルのデータをもとに同社が集計した。
●ハイケム、マレーシア企業と燃料電池バス導入で協業へ
化学品商社兼メーカーのハイケムは8月20日、自社ホームページ上で、「マレーシア・サラワク州の大手バス運行会社ビアラマス・エクスプレス(Biaramas Express Sdn Bhd)と、同州における燃料電池バス(FCバス)の導入・推進に関する覚書を締結した」と発表した。
プレスリリース: ハイケム、マレーシア・サラワク州にて燃料電池バス導入と推進のためのMOUを締結 - ハイケム株式会社
●リコー、東京体育館にペロブスカイト太陽電池を搭載の庭園灯
リコーと傘下のリコージャパンは8月20日、自社ホームページ上で、「東京体育館にペロブスカイト太陽電池を搭載した庭園灯を35本設置する実験を始めた」と発表した。実験期間は2025年12月までの約4か月間。
プレスリリース: ペロブスカイト太陽電池の実証事業を開始 | リコーグループ 企業・IR | リコー
●日産自、全固体電池向けの技術開発で米社と協業へ
日産自動車は8月20日、自社ホームページ上で、「全固体電池向けの技術開発で、米新興のリキャップ・テクノロジーズ(LiCAP Technologies, Inc)と.協業する」と発表した。
高性能で低コスト・低環境負荷の全固体電池を実現するため「ドライ電極」と呼ばれる技術の開発を共同で進める。リキャップは独自のドライ電極プロセス技術を持つ。
プレスリリース:日産自動車、全固体電池の正極電極のプロセス技術開発においてLiCAP社とのパートナーシップを締結
<海外>
●米クラリオス、欧州の電池リサイクル事業を拡大へ
米エネルギー貯蔵ソリューションのクラリオス(Clarios、本社:米カリフォルニア州)は8月18日、自社ホームページ上で、「ドイツとオーストリアの3施設を買収・統合し、欧州での電池リサイクル事業を大幅に拡張する」と発表した。
プレスリリース:Clarios Expands European Recycling Capabilities to Strengthen Circular Economy Leadership | Clarios
関連記事: 欧州からの風:August 2025 「クラリオス、欧州におけるリサイクル能力拡大へ」 | MIRU
●中国で「GBRC 2025 SMMバッテリーリサイクル・循環産業大会」開催 弊社代表が登壇
上海有色網(SMM)は8月14-15日、中国・浙江省寧波市で、国際会議「GBRC 2025 SMMバッテリーリサイクル・循環産業大会」を開催した。MIRUは本イベントのメディアパートナーとして参画し、代表の棚町裕次が講演をした。
関連記事:GBRC 2025 SMMバッテリーリサイクル・循環産業大会アーカイブ | MIRU
(IR Universe Kure)