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週刊バッテリートピックス「政府予算案、太陽電池普及盛り込む」「ポルシェ電池生産断念」など

2025/08/31 16:17
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2025年8月25日~8月31日のバッテリー業界では、政府系のニュースが多かった。まず来年度予算案には、電気自動車(EV)や太陽電池の普及向け予算が組み込まれた。また、環境省が電池火災防止に注力。経産省がカナダと蓄電池で対話もした。一方、EV電池はポルシェが自社生産を断念するなどEV逆風の余波が続き、岐路を迎えている。

IR Universeは9月25日、第12回Battery Summit を開催する。今回は、中国の金属情報プロバイダーSMM(上海有色網)との共催となる。 

 

9月25日(木) 第12回 Battery Summit in TOKYO | MIRU

日程

2025年9月25日(木)13:00~18:30

2025年9月26日(金)バッテリー関連工場訪問予定

 

会場

東京国際フォーラム Hall D7

〒100-0005 東京都千代田区丸の内3丁目5-1

 

<国内>

●パナエナジー、苦み塗布のコイン電池発売へ

 

 パナソニックホールディングス(HD)傘下のパナソニックエナジーは8月29日、自社ホームページ上で、苦み成分「安息香酸デナトニウム」を塗布したコイン型リチウム電池を10月10日に発売すると発表した。子どもの誤飲リスクの低減を目指す。

 

プレスリリース:国内メーカー初、誤飲対策として「苦み成分」を塗布したコイン形リチウム電池を新発売 | 新製品・サービス | 製品・サービス | プレスリリース | Panasonic Newsroom Japan : パナソニック ニュースルーム ジャパン

 

●PFU、町田でLiB検知システム実験

 リコー傘下のイメージスキャナー大手PFU(本社:石川県かほく市)は、8月25日~28日、搬入不適ごみ検出に関する実証実験を町田市バイオエネルギーセンターで実施した。リチウムイオン電池検知システム(LiB検知システム)の実用化を目指す。

 

関連記事:PFUのLiB検知システム 町田市で2度目の実証実験 | MIRU

 

●来年度予算案、GX向け1兆5000億円

 財務省は8月26日、令和7年度財政予算案を発表した。このうち「GX(グリーントランスフォーメーション)」関連について、計 7258 億円の支援を実施する。令和6年度補正予算とあわせ、1.兆5000億円規模となる。

 EVなど環境性能に優れる自動車の普及に1350億円を要求。ペロブスカイト太陽電池など次世代エネルギーの支援には792億円を求める。

 

エネルギー対策特別会計の内訳

 

(出所:財務省発表資料)

 

プレスリリース:令和7年度予算政府案 : 財務省

 

●経産省、カナダと蓄電池で局長級対話 2度目

 経済産業省は8月26日、ホームページ上で、「商務情報政策局の野原諭局長が、訪日したカナダのチャン上級次官補との間で第二回局長級対話を実施した」と発表した。

 日本とカナダにおけるグローバルな蓄電池サプライチェーンの構築に向けて会談した。同テーマでの局長級対話は2024年10月に続き2度目。

 

カナダとの局長級対話

(出所:経産省プレスリリース)

 

プレスリリース:カナダとの蓄電池サプライチェーンに関する協力覚書に基づく第二回局長級対話を実施しました (METI/経済産業省)

 

●スズキ、インドでEV発売

 スズキは8月26日、自社ホームページ上で、「インド西部グジャラート州で初のEV生産・出荷を開始した」と発表した。

 

関連記事:スズキ、インドで初のEV量産開始 | MIRU

プレスリリース: スズキ、インドでBEV「e VITARA」の出荷開始記念式典を開催|スズキ

 

 

●環境省、9-12月を電池火災防止月間へ 9月には自動車リサイクルで会議

 環境省は8月25日、ホームページ上で、9月から12月までの4カ月間を「リチウムイオン電池による火災防止強化キャンペーン」の期間に定めると発表した。9月から特設サイトを開設し、特に11月を重点期間として防災意識の向上に努める。

 

特設サイトイメージ

(出所:環境省の記者会見資料)

 

プレスリリース:「リチウムイオン電池による火災防止強化キャンペーン」及び「リチウムイオン電池による火災防止月間」について | 報道発表資料 | 環境省

発表資料:リチウムイオン蓄電池による火災防止のための啓発強化の取組について

 

 また、同省は9月に「産業構造審議会イノベーション・環境分科会資源循環経済小委員会自動車リサイクルWG 中央環境審議会循環型社会部会自動車リサイクル専門委員会合同会議(第60回)」を開催する。

 

関連記事:環境省 中環審自動車リサイクルWG(第60回)開催を発表 | MIRU

 

<海外>

●米国が新たな重要鉱物リスト

 米国は8月26日、新たな重要鉱物リスト案についてパブリックコメントの受付を始めた。

 

関連記事:米の重要鉱物リスト案 銅、鉛も追加候補に――パブリックコメントスタート | MIRU

 

●独ポルシェ、EV電池の自社生産を断念

 

(出所:ポルシェプレスリリース)

 

 ドイツ高級スポーツ車メーカーのポルシェ は8月25日、自社ホームページ上で、「傘下のセルフォースでの高性能バッテリーの製造計画を中止した」と発表した。事実上の清算となる。米中などでのEV販売低迷が原因としている。

 セルフォースはポルシェが2021年、独バッテリーメーカーのカスタムセルズと合弁で設立した。その後、2023年には全株式を取得。独南部に工場を持つが、2025年に入り業績悪化が目立ち、4月からは工場の売却なども進めていた。

 

プレスリリース:Porsche focuses battery activities on cell and system development - Porsche Newsroom

 

●1-6月のEV販売、34%増

 調査会社EV Volumesの集計によると、2025年1-6月期の世界のEV販売台数は983万台で、前年同期比34.1%増えた。

 

関連記事:2025年上期 世界EV市場、983万台で34%増 ― 中国勢が主導、BYDが首位維持 | MIRU

 

(IR Universe Kure)

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