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豪ビクトリー・メタルズ社のWA州重希土類プロジェクトで驚異的な酸化ジスプロシウム含有量

2025/09/22 14:50
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豪ビクトリー・メタルズ社のWA州重希土類プロジェクトで驚異的な酸化ジスプロシウム含有量

豪ビクトリー・メタルズ社(Victory Metals Limited)から、西オーストラリア(WA)州にて同社が開発中のノース・スタンモア重希土類元素(North Stanmore Heavy Rare Earth Element (REE))プロジェクトに関する重要なアップデートが、ここ1週間ほどの間に連続で届いている。同プロジェクトは、ネオジム・プラセオジウムより高価値(最大で20倍)とされている希土類元素、ジスプロシウムとテルビウムを扱っており、また、副産物としてスカンジウムが生産できる点も期待されている。

 

まず9月16日には、同プロジェクトが最近のインフィル・エアコア(AC)掘削において、粘土系鉱床から報告されたものとしては世界最高レベルの酸化ジスプロシウム(Dy₂O₃)含有量である218ppm(最大値)を記録したことを発表。この分析値は上部大陸地殻(UCC)の平均値4.02ppmの約54倍に達するとのことで、自然系では稀にしか記録されず、レゴリス含有イオン粘土型鉱化作用においては事実上前例のない異常な濃縮を示していることが確認された。

 

また、テルビウム(Tb)に関しても、同プロジェクトでの過去の掘削による最高値は70ppmとのことで、これは上層大陸地殻(UCC)の平均値0.64ppmの約110倍相当であるとのこと。粘土鉱床系から世界的に報告されることは稀な水準であるという。これらの結果を受けて、“(同プロジェクトは)世界で最もユニークかつ戦略的に重要な重希土類粘土鉱床として存在感を表しつつある”、と述べられている。

 

同社CEOおよび執行役員を務めるBrendan Clark氏は、これらの結果に対し、“まさに驚異的としか言いようがない”とコメント。さらに、“放射性元素の負担を伴わないことを示している”点も、同プロジェクトの重要な優位性であるとして強調している。

 

続いて同社は、本日9月22日に、日本の東京理科大学によるスカンジウムに関する最新研究を受けて、新たな声明を発表。“スカンジウム添加がナトリウムイオン電池性能を劇的に改善し、300サイクル後も60パーセントの容量を維持することが判明した”という東京理科大学の研究内容を紹介する形で、スカンジウムの重要性、そして同社のプロジェクトが粘土型希土類鉱床から酸化スカンジウム(Sc₂O₃)を副産物として生産する豪州でも数少ないプロジェクトである点を強調している。ノース・スタンモア鉱区のJORC資源量には770万kgのスカンジウムが含まれ、価格予測は630米ドル/kgとのこと。CEOのClark氏は、「(同プロジェクトの)操業開始後10年間のうちに酸化スカンジウムを生産すること目標としている」と明かし、「重希土類元素と並ぶ驚異的な収益源となるでしょう」との予測を示している。

 

なお、同プロジェクトは、今年7月にはサウジアラビアの政府系投資会社Sanabil Investments LLCより、また4月には米国輸出入銀行(EXIM)より、それぞれ財政支援の表明を受けている。

 

 

 

(IRUNIVERSE A.C.)

 

 

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