2025年9月下旬~10月上旬のレアアース市況は横ばい。中国が10月1日から10月8日まで国慶節・中秋節の大型連休に入り、取引が薄くなっている。連休後の需要も大幅な改善が期待しにくく、多くの鉱種で価格が動きを止めている。
■中国がレアアース産業の統制強化、供給減を警戒
中国の業界団体である中国稀土協会が9月30日に発表した9月のレアアース価格の平均値は220.8と、8月の216.1から上昇した。高値は9月2日の227.4、安値は9月29日の216.2。月内でじり安の展開だったが、安値でも8月の平均値を上回った。10月の日次価格は連休中のため発表を停止している。
中国レアアース指数の推移
(出所: 中国稀土協会)
■ネオジム110ドル挟み小動き
金属ネオジムの価格推移(99% FOB China)($/Kg)
磁石向け需要が多い軽希土類の金属ネオジムは9月18日に仲値$110.25/kgを付けた。9月上旬に2年5か月ぶりの高値である114.25/kgに上げたがその後は調整局面。$110台での小幅な値動きが続く。上海有色網(SMM)は9月25日の週刊レポートで、連休後の取引見通しについて「新規受注がやや弱いように見え、市場の取引活動は弱まった」と分析した。
■すべて9月4日から横ばい
金属テルビウムの価格推移(99% FOB China)($/Kg)
金属ランタンの価格推移(99% FOB China)(S/Kg)
金属ジスプロシウムの価格推移(99.5% FOB China)($/Kg)
他の鉱種は9月4日から1か月以上に渡り横ばい。
●10月6日
インド電動バイクのオラ・エレクトリック・モビリティー(OLA Electric Mobility)は10月6日、上場先のインド株式市場で、「開発中のフェライト磁石モーターがインド政府の認証を受けた」と発表した。
フェライト磁石モーターはレアアース不使用で、中国が武器化するレアアースへの依存を減らすとして注目されている。日本ではプロテリアル(旧日立金属)などが開発する。
●10月3日
ロイター通信は10月3日、「トランプ政権当局者がオーストラリア金属採掘のクリティカル・メタルズの株式取得を協議している」との消息筋の話を伝えた。
クリティカル・メタルズは9月29日に自社ホームページ上で、「グリーンランドのタンブリーズ希土類鉱山の所有権について、これまでの42%から92.5%に引き上げる」と発表したばかり。英金融サービスのリンバルから権益を買い取る。
●10月2日
米メディアのPR Newswireは10月2日、「パキスタン産の濃縮希土類元素と重要鉱物が、米国向けに輸出された」と伝えた。パキスタン産レアアースの対米輸出は初めて。両国は9月上旬にレアアース貿易に関する覚書を交わしていた。
●10月1日
オーストラリア資源のビクトリー・メタルズ(Victory metals)は10月1日、上場するオーストラリア証券取引所(ASX)で、「住友商事との間でレアアースの供給契約を結んだ」と発表した。
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●10月1日
阪和興業は10月1日、「アンゴラ共和国での永久磁石用原料となるレアアース分離・精製調査事業が、経済産業省の令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)に8月1日に採択された」と発表した。
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(IR Universe Kure)