
JX金属は14日、大阪大学発の核融合発電スタートアップ、EX-Fusionの株式を取得したと発表した。出資を通じ同社と進めてきたYAGセラミックスの技術開発に弾みをつけ、レーザー核融合発電の社会実装を目指すという。
EX-Fusionも同日、今回実施した、事業立ち上げ期であるシリーズAラウンド(エクステンション)の資金調達に、JX金属のほか、パーソルベンチャーパートナーズ合同会社、SBI新生企業投資株式会社を引受先として総額4億円の資金を調達したと発表した。これによりシリーズAでの累計調達額は30億円となり、累計総調達額は60億円になったとしている。
核融合発電は、燃料となる重水素を海水からほぼ無尽蔵に確保でき、発電時にCO2を排出しないため、エネルギー分野におけるゲームチェンジャーとして注目を集めている。
JX金属はEX-Fusion社と協業して、レーザーアプリケーション用YAGセラミックスの技術開発を進めてきていた。レーザー方式の核融合システムにおいて、燃料を加熱・爆縮させて核融合反応を維持させるレーザーは重要な構成要素のうちのひとつで、イットリウムとアルミの複合酸化物からなるYAGセラミックスは、その大口径化などの際に必要とされる。
(IRuniverse G・Mochizuki)