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モバイルバッテリーを小型家電リサイクル法の対象へ―環境省・経産省が議論開始も慎重派多数

2025/10/24 16:23
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モバイルバッテリーを小型家電リサイクル法の対象へ―環境省・経産省が議論開始も慎重派多数

環境省と経済産業省は24日、産業構造審議会イノベーション・環境分科会資源循環経済小委員会の小型家電リサイクルワーキンググループ第2回会合をオンラインハイブリッド形式で開催。モバイルバッテリーのほか、モバイルバッテリー、加熱式たばこ、電子たばこを小型家電リサイクル法の対象品目に追加する案を提案した。しかしながら、参加委員からは慎重な意見やリスクを懸念するが多く上がったため、実現にはいくつものプロセスを踏む必要がありそうだ。

 

資源有効利用促進法の改正法案が5月に可決され、指定再資源化製品として、加熱式たばこデバイス及びモバイルバッテリー(電源装置)の追加が検討されている。これを踏まえ、両省はパラジウムやニッケル、コバルト、リチウムといった重要鉱物資源確保の観点から、小型家電リサイクル法でもモバイルバッテリーのほか、モバイルバッテリー、加熱式たばこ、電子たばこについても対象品目に追加することを議案として挙げた。

 

事務局からの提出資料より引用

 

両省としても、その実現に向けては懸念事項が複数あるとしており、その一つが発火・火災のリスクである。破損・変形した加熱式たばこ、モバイルバッテリーなどが自治体の回収BOX内で発火する懸念があることに加え、小型家電リサイクル認定事業者の選別工程においては、破砕前に手選別で除去しなければならないが、大きさが小さいため発見しにくいという問題もある。また、国内でLiBリサイクルが可能で、かつ、一般廃棄物処理施設設置許可を取得している事業者が限られていることも課題とした。

 

両省は、X線を用いたリチウム蓄電池検知機や、発煙・発火の検知消火システムなどの設備導入などを対策例として挙げてはいたが、その導入コスト、運用コストををだれが負担するのかといった懸念も残る。

 

小型家電リサイクル協会は反対を表明

 

会合に出席していた委員からも当然ながら発火リスクを重要視する声が多くあがった。小型家電リサイクル協会の金城正信会長は、「反対」の立ち位置を表明。「とにかく発火事案が多く、安心安全なリサイクルが難しい」などの理由を説明した。また、自身以外の委員の賛成意見により、品目追加となった場合は、特定危険品目などの特別枠を設けて分別回収の徹底を図ることを提案。「それができなければ、我々の認定事業者で事故が起きることになるので、慎重な議論をお願いしたい」と理解を求めた。

 

また、販売規制の必要性に関する意見の複数の委員から出された。専修大学商学部の増田明子教授は「品目追加をするのであれば、輸入や製造する段階で基準を作り、しっかりとした品質のものを流通する体制を整備するべき」と述べた。

 

2023年度における小型家電の回収量は8万6410トンとなっており、22年度に比べて、市町村からの回収量は微増、直接回収量は減少しており、全体としては約3%減少した。過去最大回収実績は20年度の10.2万トンであり、以降毎年漸減傾向にあり、19年に設定された「令和5年度までに14万トン/年」の目標値は未達となっている。

 

両省は、小型家電の軽量化や小型家電リサイクル法以外の多様な回収手段の存在も目標未達の理由であるとしているが、小型家電リサイクル法施行から約12年が経過し、様々な変化が生じていることから制度内容と目標ともに修正を加えていく必要がある。会合は今後も複数回開催されるため、本格的な議論は次回に持ち越しとなった。

 

事務局からの提出資料より引用

 

(IRuniverse K.Kuribara)

 

 

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