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BIR国際会議(BIR World Recycling Convention)in BangkokにPRESS枠でIRuniverse取材チームが参加

2025/10/27 07:32
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BIR国際会議(BIR World Recycling Convention)in BangkokにPRESS枠でIRuniverse取材チームが参加

IRuniverse取材チームは、世界のリサイクル業界を代表する国際組織BIR(Bureau of International Recycling)が主催する国際会議に参加した。

BIR国際会議は、鉄・非鉄金属、プラスチック、紙などのリサイクル市場動向の発表をはじめ、政策・貿易規制・環境問題に関する国際的な議論が行われる場である。各国の業界代表や政府関係者によるパネルディスカッションや基調講演、展示会などを通じて、世界中のリサイクル関連企業、トレーダー、政策担当者、分析機関が集う。

2025年秋の会場は、バンコク中心部にある五つ星ホテルCentara Grand & Bangkok Convention Centre at CentralWorld。会議は10月27〜28日に開催され、前日の26日にはカクテルパーティーが行われた。

会議前日の10月26日夕方、BIR幹部はインフォーマル・ミーティングを開催した。IRuniverse取材チームも参加し、今後の活動方針や環境政策に関する最新の取り組みについて説明を受けた。

会議前日に開催されたBIR幹部によるインフォーマルミーティング招待されたIRuniverseチーム

BIRは現在、環境影響評価プロジェクト「Carbon Study」の最終段階に入っており、年末までに最新版を公表する予定である。この研究は2016年よりKPMG Global(世界的な会計・監査・コンサルティングネットワーク)と共同で進めており、リサイクル産業がもたらすCO₂削減効果に加え、土地利用や原材料保全への影響を科学的根拠に基づいて分析している。報告書は国別比較ではなくグローバル視点で構成されており、将来的にはソフトウェア化によるデータ活用も検討されている。

また、BIRは国連訓練調査研究所(UNITAR)と協力し、電子廃棄物の監視プロジェクト「E-wasteモニター」を推進している。特にアルミニウム、銅、鉛、亜鉛など主要金属のリサイクルにおいて、開発途上国でのサプライチェーン構築や政策形成支援を目的にデータ提供を進める方針を示した。これにより、一次資源の供給不足に対する誤認や保護主義的規制に対抗し、リサイクルの国際的な流通を支える科学的根拠を整備する狙いがある。

BIRの政策担当チームは体制を拡充しており、貿易および環境政策を専門とする新任職員を迎えた。現在、バーゼル条約およびOECDと連携し、繊維リサイクルやプラスチック処理における貿易障壁の緩和を推進している。特にアジア地域で強化される輸出入規制や、米欧での保護主義的傾向に対して、国際的な協調の必要性を訴える構えだ。

世界的な「グローバルプラスチック条約(INC)」の交渉は依然として流動的であり、最終的な枠組みは次回セッション以降に持ち越される見通しである。

また、世界の貿易構造は「コスト最優先」から「信頼できる地域・パートナーとの連携」へと転換している。米中対立の影響は経済だけでなく、AIや量子コンピューティングなどの技術分野にも拡大しており、地政学の中心は欧州・中東からアジアへ移りつつある。特にレアアースや重要鉱物の確保が国家戦略の核心であり、これらの資源なしには技術的優位が維持できないことから、リサイクル産業は環境保全のみならず、安全保障や経済的自立にも直結する重要産業である。

ドナルド・トランプ米大統領の関税政策を受け、EU圏内での新たな税制(Tax制度)の検討も進められている。BIRは今後も、国際貿易の円滑化と環境政策提言の両面でリーダーシップを発揮し、科学的根拠に基づく循環型経済(サーキュラーエコノミー)の実現に向けた国際的枠組みづくりを主導する方針である。世界のリサイクル率は今後数年で15%から25%に上昇するとみられており、一時的な動向ではなく、構造的な変化と考えられている。

BYDのバンコク進出で進むEV化。しかし街中は依然ガソリン車中心

バンコク市内 車もバイクもガソリン車、HEVが多い印象

中国の自動車メーカーBYDが進出したバンコクでは、近年EV(電気自動車)の普及が急速に進んでいる。しかし、国際空港から市内中心部までの道中では、依然としてガソリン車やHEV(ハイブリッド車)が多数を占めており、EVが主流となるには至っていないのが現状だ。

その背景には、バンコク特有の深刻な交通渋滞がある。東南アジアの他の首都圏と同様、慢性的な渋滞により長時間のアイドリング状態が続くため、エアコンを稼働させたまま停車するケースが多い。EVの場合、停車中の電力消費によってバッテリー残量が減少しやすく、運転者の間では「渋滞時にバッテリーが上がる」との懸念が根強く残っているという。

市内には、Honda、Toyota、Mitsubishi、Isuzuなど日本勢をはじめ、Hyundai(韓国)、Mercedes-Benz(ドイツ)、BYD(中国)といった主要メーカーのディーラーが軒を連ね、自動車市場の多様化が進んでいる。一方で、EV販売の伸びは都市構造と交通事情に大きく左右される傾向がみられる。

 

BIR国際会議は、世界のリサイクル産業が直面する課題や政策の最新動向を共有し、国際的な連携を強化する貴重な場であることを改めて実感した。また、現地バンコクでは、EVの普及が進む一方で、深刻な渋滞や長時間停車によるバッテリー上がりの問題から、依然としてガソリン車やハイブリッド車が街中の主流であるという現実も見られた。バンコクでEVを真に普及させるためには、道路インフラの改善や公共交通網の拡充による渋滞緩和が不可欠であろう。

こうした都市の交通事情やインフラ課題を踏まえつつ、リサイクル産業が持続可能性だけでなく安全保障や資源確保の観点からも重要な役割を果たすことを強く認識する機会となった。

(左)BIR in Bangkokに参加するIRuniverse取材チーム、(右)BIRの広報・情報発信担当責任者Elisabeth Christ氏に挨拶する弊社棚町
カクテルパーティーが開催されたCentara Grand Hotel Central Worldの最上階から夜景を楽しむIRuniverse取材チーム

 

(IRuniverse Midori Fushimi)

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