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タケエイ マイクロ波利用のPVガラス付着有機物除去によるガラスカレット水平リサイクル実証開始

2025/10/29 10:00 FREE
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タケエイ マイクロ波利用のPVガラス付着有機物除去によるガラスカレット水平リサイクル実証開始

環境省「国内資源循環体制構築に向けた再エネ関連製品及びベース素材の全体最適化実証事業」に採択 
 TREホールディングス株式会社(東京都千代田区)の連結子会社である株式会社タケエイ(東京都港区)とマイクロ波化学株式会社(大阪府吹田市)は、10月28日、環境省が公募した「令和7年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(国内資源循環体制構築に向けた再エネ関連製品及びベース素材の全体最適化実証事業)」に「マイクロ波を利用した太陽光パネルガラス付着有機物除去によるガラスカレット水平リサイクルの実証事業」を共同申請し、採択されたと発表した。

 使用済み太陽光パネル(PV)の排出量は、環境省・経済産業省の推計によると、2030年代半ばから年間20万tを超え、2040年以降には最大50万t/年程度まで達することが見込まれている※1。そのため、太陽光パネルのカバーガラスのガラス to ガラスの水平マテリアルリサイクルは、輸入に頼るガラス原料の国内資源循環・代替活用といった側面で重要になる。また、CO2の排出を抑制したリサイクル工程が望まれてもいる。一方で、マテリアルリサイクルを推進するには、バックシート※2とガラスを接着・封止するEVA樹脂が付着したガラスについて、EVA樹脂を除去・低減し、品質を安定化する技術の確立が必要だ。

 今回、両者は使用済み太陽光パネル(割れガラスも含む)から回収されるガラスカレット※3の水平マテリアルリサイクルを推進すべく、マイクロ波を利用したEVA樹脂の除去・低減技術の開発及び実証試験を行う。
 対象物を直接加熱できるマイクロ波はエネルギーの無駄を抑えるため、EVA樹脂の効率的な低減が見込まれ、リサイクル工程全体のCO2排出量を大幅に削減可能。加えて、同事業では小型分散処理の導入を想定しており、設置場所の柔軟性が高く、輸送に伴うコストやCO2排出量の低減にもつながる。
 
 同事業を起点として、両者は使用済み太陽光パネルの大量廃棄という新たな社会課題の解決に取り組み、環境・エネルギー分野における革新的な技術とビジネスの創出を加速していく。

※1 経済産業省・環境省『太陽光発電設備の廃棄・リサイクルをめぐる状況及び論点について(資料3)』,2024年,
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/resource_circulation/solar_power_generation/pdf/001_03_00.pdf
※2 熱・紫外線・湿気から太陽電池セルを保護するシート
※3 リサイクル原料として廃ガラスを破砕した状態のガラス片


(IR universe rr)

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