オーストラリアのレアアース大手ライナス・レアアースは10月29日、自社ホームページ上で、「マレーシアで開発中のレアアース生産事業を拡充する」と発表した。重希土類を精製する施設を追加で新設する。同社は日本政府と中重希土類の供給契約を結んでおり、生産拡大は日本への輸出も視野に入れたものとみられる。
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発表によると、新たな施設は同社がマレーシアで採掘するレアアース鉱石から、軽希土類と重希土類を分離するためのもの。最大で年間5000トンの重希土類を分離できるという。建設コストは約1億8000万豪ドル(約180億円)程度で、既に増資によって調達した資金を加えた自己資金で賄う。建設スケジュールは当局の認可を待って立てる。
ライナスによれば、この水準の重希土類の生産能力は、中国以外では世界でも同社のみが保有する。同社は施設追加の理由を、西側諸国がレアアースの脱中国依存の動きを続ける中、「需要拡大に対応した」と説明した。
ライナスは同時に、同社の重希土類の生産規模の見積もりも発表した。同社は既にマレーシアでジスプロシウムとテルビウムを生産し、2026年4月にはサマリウムも生産する予定だ。
ライナス・レアアースの重希土類生産見積もり
(出所:ライナス・レアアース発表資料)
ライナスは日本政府とは2023年3月に独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を通じ、双日を交えた中重希土類の供給契約を結んでいる。
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(IR Universe Kure)