11月10日17時、古河電工は同日14時に発表した26/3期2Q決算を受けて決算説明会を電話にて行った。説明に使われた資料はこちら。
<ポイント>
〇25年度上期実績(資料5ページ)
売上高、営業利益以下、いずれも前年同期比を上回る数字となり、増収増益となった。
〇25年度通期予想(同6ページ)
通期予想は前回の予想を据え置くことにした。米国関税の影響はアップデートしたが、対応措置を講じることによって予想を変更するところまで至らなかった。また、足元の進捗状況、こういったものも勘案して、現時点では通期予想の修正は不要と判断した。
〇株主還元(同7ページ)
前回開示した25年度の予想、1株当たり120円、こちらを据え置く。
図表1、26/3期の上期実績と通期見通し(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成
※同社業績見通しを据え置いたが、上の業績見通しからわかるように上期下期で大きな段差がる。通期見通し達成のために下期が重要となるが、会社側は、下期は上方修正も可能だと強気のコメントをしていた。以下、その根拠となる背景などの説明があった。
<トピックス>
〇データセンタ関連事業の進捗状況
●光ファイバ・ケーブル、光部品(同8ページ)
ローラブルリボンケーブル
国内三重工場における増産、こちらは計画通りに進行中で、今年度4Q、ここから決算的な効果が発現してくる予定。
MTコネクタルール
こちらの増産は、既に23年度の製造能力の5倍に到達しており、その効果も出てきている。
DFBレーザーチップ
こちらの増産も、MTフェルール同様、23年度比5倍の規模に到達した。
これらの需要あるいは受注、こういったものは引き続き旺盛であり、今後も段階的に能力増強を進める見込み。また、製品ラインナップの拡充、こちらも進めており、例えば超多心プリコンケーブル、こちらのファイバ端末にMTフェルールを付けたフリコンケーブル、こういったものを市場投入するということで動いているが、これは本年度中に実現する見込みとなっており、また、CPO市場向けの光部品製品なども増産対応を続けている。
これらの結果、データセンタ市場向けの製品の今年度の売上高は、23年度に対しておおむね5倍、その程度まで増加する見込み。
●放熱・冷却システム(同9ページ)
データセンタ向けのこういった冷却デバイス、こちらの需要も引き続き旺盛。それに伴い増産対応を継続している。
空冷に加えて水冷システム、こちらの需要拡大が見込まれている中で、水冷の新工場の立ち上げ準備は予定通り順調に進んでいる。生成AI用の演算装置の性能向上に伴い発熱量も増加してきており、水冷システムの需要が当初の見立てよりも前倒しされる傾向が出てきており、今後しばらくは空冷から水冷の方に切り替えていく時期に差し掛かってくる見込み。
そのため、この水冷新工場の立ち上げ、アウトプットをし始めるまで、その間、空冷向けの売上の増加が足踏みとなる可能性が見えてきた。26年度は、水冷システムの受注、これが始まる見込みであり、27年度以降、この大幅な水冷システムの売上増いうところに繋がる見通し。グラフに示した通り、22年度に対して、足元、25年度はおよそ4倍の規模まで売上が伸びてきているが、今年度から来年度にかけては、この空冷に加えて水冷に移行する部分が立ち上がり始め、27年度に大幅増というような見立てをしている。
〇次期中長期戦略の方向性(同10ページ)
以前からの図になるが、ビジョン2030、これの達成に向けて現在フェイズ1から2に進めているところ。さらにその先、フェイズ3を、現在、研究開発やマーケティングといった活動をしており、パーパスを軸とした経営を推進していくという方向性になっている。
<25年度上期実績及び通期見通しの詳細>
〇25年度上期(同12ページ)
増収増益。想定通りの進捗。持分法投資損益が前年比で11億円悪化したが、主にUACJが持分法適用会社から除外となったことによるもの。
売上高の増減要因は資料13ページ参照。
〇営業利益の増減(同14ページ)
売上増により100億円のプラス。主な内訳は、情報通信ソリューションで84億円、機能製品で15億円のプラスとなった。原燃料・物流費が15億円の増加。原価償却費・研究費とその他固定費は、
新規連結の影響もあり増加したが、改善効果等で49億円カバー。為替影響は、USドルに対して円高。台湾ドル高になったことにより21億円のマイナス。全体の増減要因はプラス19億円となった。
〇25年度見通し(同15ページ)
業績見通し据え置き
セグメント別売上高・営業利益は資料の16・17ページに掲載。
図表2、セグメント別実績と見通し(億円)

出所:会社発表資料よりIRU作成
18ページ以降はサブセグメントの説明。
●情報ソリューション(同18ページ)
上期の実績は、前年同期比で増収増益。データセンタ向け製品等の売上が増えてきたことにより増益となった。事業環境の認識を示ししているが、前回公表時から大きな変化はない。
●エネルギーインフラ(同19ページ)
上半期の実績は、前年同期比で増収減益。工事案件ごとに採算性等が違うことから上半期は減益となったものの、国内超高圧、再エネ関連機能戦の需要は引き続き堅調。事業環境の認識も、前回公表時から大きな変更はない。
●自動車部品・電池(同20ページ)
上半期の実績は、前年同期比で減収減益。古河電池において売上が減少したことにより減益となった。古河電池の非連結化のタイミングは、前回公表時と同じく4Qを想定。
●電装エレクトロニクス材料(同21ページ)
上半期の実績は、前年同期比で増収減益。主に海外連結子会社での増加影響により増収となった。昨年2Qに銅価上昇に伴う評価益が一時的に発生した影響により、今期はその反動で減益となった。事業環境の認識は、前回公表時から変化はない。
●機能製品(同22ページ)
上半期の実績は、前年同期比で増収減益。データセンタ関連製品の需要は旺盛で、高熱冷却製品の売上が増加したことにより増益となった。一方、銅箔において、台湾ドル高、米ドル安が進んだことや、半導体製造用テープにおける主要顧客の需要変化により減益となった。事業環境の認識は、前回公表時から変化はない。
B/S、設備投資額・減価償却費・研究開発費は資料の23-24ページの通り。設備投資では10月公表したエネルギーインフラにおけるHVDCケーブルの製造設備に関する一部支出が発生することや、本日公表の機能製品におけるデータセンタ向け水冷モジュールの製造工場拡張に関わる一部支出等を見込み、60億円増加させ、600億円に変更した。減価償却費、研究開発費は、前回公表値から変更はない。
<参考>
図表3、四半期別の業績推移

注意:セグメント変更したが、遡って修正済み
出所:会社発表資料よりIRU作成
(IRuniverse 井上 康 )