2025年11月18日から20日にかけて、愛知県産業労働センター(ウインクあいち)にて「第66回電池討論会」が開催された。電池討論会は、電気化学会電池技術委員会が主催する一次電池、二次電池、燃料電池、キャパシタなど電池分野を網羅する国内最大規模の学術集会である。
討論会は講演会だけでなく企業・研究機関による展示も行われ、産学官の参加者が活発に交流する場として広く認知されている。

今回、会場となった愛知県では2024年12月に「あいち次世代バッテリー推進コンソーシアム」を設立した。同県は自動車産業を中心に、精密加工、セラミック、材料工学など電池開発に欠かせない技術が集積している。カーボンニュートラル社会の到来を背景に、次世代バッテリー市場は急速な拡大が見込まれており、2050年には世界市場規模が100兆円規模に達するとの試算もある。愛知県はこの潮流を捉え、地域企業の強みを次世代電池産業へと確実につなげていく方針だ。
しかしながら、愛知県の蓄電池製造品出荷額は全国12位(2023年)と、潜在力に対して必ずしも産業規模が追いついているわけではない。県としては、自動車関連企業に加え、瀬戸焼・常滑焼といった伝統産業が持つ「高耐熱・高精度の焼成技術」を電池材料へ応用するなど、地域の幅広い産業を巻き込んだ価値創出を進めたい考えだ。
あいち次世代バッテリー推進コンソーシアムは、以下の3つを柱として取り組みを展開している。
- セラミック集積を活かした次世代バッテリー(特に酸化物型全固体電池)の開発加速支援
- 次世代電池および既存二次電池の技術革新に向けた産学官共同研究チームの組成支援
- “電池開発の知の拠点”形成に向けた、人・モノ・情報の集積機能の検討
コンソーシアムの会員は設立当初100者に満たなかったが、現在は188の企業・団体へと急拡大している。地元ネットワークを活かした共同研究先探しや企業マッチング支援など、県として産業エコシステムづくりを強力に後押ししている点が特徴だ。

今回の電池討論会には約2,000名に迫る参加者が来場し、講演会場・展示会場ともに大きな熱気に包まれており、国内の電池産業が研究開発と事業化の両面で一段と加速していることを実感できるイベントとなった。
電池討論会の展示会場レポートおよび講演内容の紹介については、以降、順次公開していく。
(IRuniverse Midori Fushimi)