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冨士ダイス 26/3期は自動車向けの回復で6.5%増収22.9%営利増予想は増額期待も

2025/12/01 03:37
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冨士ダイス 26/3期は自動車向けの回復で6.5%増収22.9%営利増予想は増額期待も

冨士ダイス(6167) 26/3H1WEB説明会メモ 材料織り込み新規にややネガティブ

 

26/3期は自動車向けの回復で6.5%増収22.9%営利増予想は増額期待も中計予想未達懸念

株価872円(11/28) 時価総額174億円     発行済株20000千株

PER(DO26/3期予:32.7X)PBR(0.87X) 配当26/3期予40円 配当利回り:4.6%

要約

26/3H1は中国向け金型素材増や製缶金型など好調で1.7%増収10.7%営利増と利益上振れ

 超硬合金製の耐摩耗工具・金型製造に特化し、超硬耐摩耗工具業界で長期にトップシェア(30%超)を誇り、創業以来黒字経営を継続している。26/3H1決算が11/14に公表され、11/27にWEB説明会が実施された。

26/3H1は売上高84.17億円(期初計画比3.03億円未達、同期比1.7%増)、営業利益3.22億円(同1.02億円上振れ、同10.7%増)、経常利益3.06億円(同0.36億円上振れ、22.3%減)となった。直接、間接で6割強を占めるとみられる自動車産業向けの回復が今ひとつで、中国向けなどが堅調だったものの売上未達、利益は生産効率向上などで上振れた。

 

製品別売上では超硬製工具類が売上高20.49億円(0.2%減)と、前上期好調だった熱間圧延ロールが低調に推移、一方で冷間圧延関連の工具等が堅調で、売上横ばいに。超硬製金型類は、製缶金型や電池関連金型に加えモーターコア用金型が好調に推移し、売上高23.01億円(12.1%増)となった。その他の超硬製品は半導体製造装置向けが伸び悩んだものの超硬素材が海外向けに好調で、売上高は23.47億円(8.4%増)となった。超硬以外の製品は売上高17.19億円(14.3%減)と低調に推移した。

 

顧客産業分類別(単独決算売上ベース)では、輸送用機械が売上高14.1億円(1.4%増)と、次世代自動車向け開発案件は寄与したものの、自動車部品メーカーの生産調整で伸び悩んだ。鉄鋼向けは売上高11.6億円(9.4%減)と、海外向け熱間圧延ロール向けの反動減と国内自動車・建機の不振で減少に。非鉄金属・金属製品向けは売上高10.7億円(5.9%増)と、製缶工具が内外とも好調なほか、エアコン用溝付きプラグが好調に推移した。生産・業務用機械は売上高9.8億円(12.5%減)と、半導体製造装置用は堅調もその他が設備投資低調で不振で減収に。電機・電子部品向けは売上高7.4億円(2.8%増)と半導体封止用が低調も、車載電池用が増加し、増収を確保した。金型・工具向け素材は売上高15.6億円(33.3%増)と、EV向けは低調も、海外向けEV超硬素材が伸長し、大幅増加した。

 

利益面では増収効果1.4億円に対し、原材料高が1.94億円と原価高が影響、生産効率アップが一部寄与、在庫増が1.14億円増益に寄与し、人件費増などの増をカバーし、増益となった。なお原材料高影響は原材料比率が売上高の20%程度を占める中で、タングステンの価格高騰による影響が大半で、計画比0.36億円が予想を上回る影響となっている。但し、コバルトやニッケルについての影響は軽微で計画並の推移とのこと。なお期初計画比では、鉄鋼関連の不振を生産効率の向上、結果として人員確保の遅延、費用発生の期ズレなどで期初計画を上回る形となった。

 

 

26/3期、原料高など不透明で予想変更せず6.5%増収22.9%営利増予想は利益増額期待

 会社側では26/3H1で利益上振れも、原材料価格変動リスクなどを考慮し、26/3期期初計画を変更せず、売上高176.7億円(6.5%増)、営業利益6.0億円(22.9%増)、経常利益7.0億円(16.1%増)、税引利益4.6億円(6.0%増)を据え置いた。製品別予想の開示はないが、単独の主要産業分類別見通しは開示しており、こちらも期初計画を変更していない。

 

 説明会補足資料では棒線グラフは変更していないが、26/3Q3以降の見通しについて、鉄鋼は上期比横ばいの可能性、金型・工具向け素材は上期の勢いを持続する見通しとしている。また下期は全体として自動車関連について生産台数の正常化が進むことを見込んでいる。このため、実際は鉄鋼向けの未達、金型・工具向けの上振れ、全体として売上が会社期初計画、利益は上期同様に上振れて着地するとみられる。

  

中期経営計画で27/3期に売上高200億円、営業利益20億円目指すも見直し必要

 同社は中長期の成長戦略として、業務効率化、成長分野の新製品開発、グローバル展開を推進、変化に対応できる企業体質への転換を目指している。そして現在、27/3期に、売上高200億円、営業利益20億円を目標として掲げている。

 

現状、26/3期多少の収益上振れがあっても、27/3期は26/3期比14%増収、営業利益は2.85倍程度が必要で、しかも18/3期の過去最高営業利益14.65億円に対しても36.5%増が必要で、実現の可能性は非常に低いと見られる。しかも昨今、タングステンについて米中摩擦でタングステンの需給が世界的に逼迫、26/3期までは在庫対応できても、増産に対して調達難、価格の高騰も懸念される。このため、売上面でも27/3期目標の未達成リスクがある。

但し、27/3期以降については新製品群が相次いで量産化に向かうとみられ、28/3期には収益上伸が期待される。

 

具体的に同社の成長分野に向けた製品開発の動向を見ると、脱炭素・循環型社会へ貢献する製品群が目白押しとなっている。まず、次世代自動車向けではモーターコア向け新素材。高級車EV向けに採用が見込まれるアモルファスモーターコア材料に対応した超硬合金、自動運転に向けた自動車向けでは赤外線カメラ・レンズに向けた高熱膨張レンズ用金型、モーター金型加工用に非油性放電加工対応合金などが、随時、客先対応から量産化に向かいつつある。また次世代エネルギー対応では水素発生用触媒や金属空気2次電池用触媒などの評価が進みつつある。さらに、昨今のレアメタル・レアアースなどの調達リスクに対応、省タングステン・コバルト合金の開発なども改良を加え、実用化に迫りつつある。

いずれにしても、これまで高い技術を有しながら、石橋を叩いて渡らないような保守的経営、創業以来の一貫した黒字確保経営を実行してきた同社が、新素材、新分野に向けた攻めの経営の成果が具体化する28/3期の変貌に期待したい。 

株価は26/3期収益回復見通しで決算発表後に緩やかな上昇を辿ってきたが、8/12の26/3Q1で大幅な営業利益増となったことで急騰、その後、新材料の話題などで10/27には1015円と年初来高値、しかも1000円大台を突破した。但し熱狂はすぐに沈静化、現在800円台後半で推移している。現在、26/3期会社予想EPS23.12円に対しPER37.7倍は、40円配当という高額増配を好感した面が多く、OSG(6136)の13.6倍、日進工具(6157)の22.7倍、パンチ工業(6165)の23.6倍に対して割高となっている。しかも先端半導体向けに大幅な収益上伸しているユニオンツール(6278)の27.6倍に対しても割高となっている。26/3期は多少会社予想比利益増額が期待されるものの、27/3期中計予想の達成は未達となる可能性が高く、評価として新規にややネガティブと考えたい。

   *図表は会社補助説明資料より添付、もしくはIRユニバース加工、チャートはヤフーから添付

 

 

 

                  

                      *OSG(6136)、日進工具(6157)、パンチ工業(6165)との比較

 

 

(IRuniverse Okamoto)

 

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