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11月のアルミ概況および12月の見通し    橋本アルミ(株) 橋本健一郎

2025/12/05 10:08 FREE
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11月のアルミ概況および12月の見通し    橋本アルミ(株) 橋本健一郎

 

予測レンジ         

LME   現物後場買い2500-3000ドル     ↑

スクラップ +5から+10円(前月最終価格より)  ↑

為替    155-160円 (一か月間TTM)  安

 

■国際概況

2025年11月のLMEアルミは、金融・需給・政策要因が複雑に交錯した月となった。

上昇要因は、まず欧米のインフレ鈍化を受けた利下げ観測の再浮上でドル安が進行し、非鉄全体に資金が回帰した点。そして、中国の公共投資加速やインフラ向け需要の持ち直しが「実需回復期待」を押し上げた点である。

一方、下落要因としては、欧州製造業PMIの低迷により世界需要の先行き不安が強まったこと、さらにアルミ地金の生産再稼働が進み供給増への警戒が高まったことが挙げられる。結果として、11月のアルミ相場は上昇と調整が交互に訪れる神経質な展開となった。

月末日 2826ドル

 

■前月の経済指標                 

◆月間のドル/円レート (TTS)

155.10 → 157.63(円)

グラフ, 折れ線グラフ

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【国内指標】                                          

【自動車生産】    

生産動態統計によると10月の自動車生産台数は前年比-0.2%の77万6072台

輸出は前年同月比+4%の37万1559台        

                                                                                   

                 

【自動車販売】    

日本自動車販売協会連合会によると11月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-6.1%

の23万4715台

自動車生産台数

出典 生産動態統計

 

 

自動車販売台数推移

 

出典 日本自動車販売協会連合会

【住宅着工戸数】

10月の新設住宅着工は,持家が減少したが,貸家,分譲住宅が

増加したため,全体で前年同月比3.2%の増加となった。また,

季節調整済年率換算値では前月比10.2%の増加となった。

 

                 

【アルミ圧延・押出品生産数】

                                                  

日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -0.6% 14万8991t 6カ月ぶりマイナス。

板は生産・出荷ともにプラス。内需の主要分野は減少したが、輸出が下支えをし、出荷全体ではプラスとなった。押出は生産、出荷ともにマイナス。最大用途である「建設向け」は、住宅着工戸数の減少を受けて減少が続いている。

 

 

 

出典 日本アルミニウム協会 

 

【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】

前年比 +3.3% 6万2686t  2カ月連続プ出荷  +2.5% 6万3457t  15カ月ぶりプラス    自動車向けの需要持ち直しが顕在化し、生産・出荷ともに改善が鮮明。特に出荷は15カ月ぶりに前年を上回り、市場の底入れを示す内容となった                     

 

 

出典 日本アルミニウム合金協会

 

【貿易指標】

【輸出】                                                                                                                                                                                                                                  

新地金    +117.5% 311t

二次合金   -40.3% 709t

スクラップ  +19.8% 3万7652t

アルミ缶   +3.6% 7688t

 

 

 

出典 財務省貿易統計 

 

 

 

【輸入】

新地金     ―10.5% 9万3048t

二次合金    -16.4%の9万2515t

スクラップ   +17.5%の737t

合金スクラップ +10.6%の8608t                

  

 

輸入推移

                                                            

出典 財務省 貿易統計

 

■国内概況まとめ

【自動車生産】    

生産動態統計によると10月の自動車生産台数は前年比-0.2%の77万6072台

輸出は前年同月比+4%の37万1559台                                                           

【自動車販売】    

日本自動車販売協会連合会によると11月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-6.1%

の23万4715台

                 

【住宅着工戸数】

10月の新設住宅着工は,持家が減少したが,貸家,分譲住宅が

増加したため,全体で前年同月比3.2%の増加となった。また,

季節調整済年率換算値では前月比10.2%の増加となった。

【アルミ圧延・押出品生産数】        

日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -0.6% 14万8991t 6カ月ぶりマイナス。

板は生産・出荷ともにプラス。内需の主要分野は減少したが、輸出が下支えをし、出荷全体ではプラスとなった。押出は生産、出荷ともにマイナス。最大用途である「建設向け」は、住宅着工戸数の減少を受けて減少が続いている。                                          

 

【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】

前年比 +3.3% 6万2686t  2カ月連続プラス

出荷  +2.5% 6万3457t  15カ月ぶりプラス                      

 

【輸出】

新地金    +117.5% 311t

二次合金   -40.3% 709t

スクラップ  +19.8% 3万7652t

アルミ缶   +3.6% 7688t

                 

【輸入】                 

新地金     ―10.5% 9万3048t

二次合金    -16.4%の9万2515t

スクラップ   +17.5%の737t

合金スクラップ +10.6%の8608t                

 

[見通し】

【自動車】             

販売台数

 - 国内向け販売は、年末に向けた節目の“買い替え”需要や、為替後押しでの価格競争力維持により、少なくとも 横ばい〜若干プラス で推移。

 - 特に軽自動車や低価格帯のコンパクト車、実用車が比較的堅調。中間層以下の購入層は「値ごろ感重視」で動きやすいため。

 

生産台数

 - 国内工場もこの需要に応じて、安定稼働あるいはやや増産。特に軽・コンパクト、実用車を中心とした生産に回帰。

 - 円安やコスト競争力を背景に、輸出向けも“効率的な品目”を絞りつつ継続。

 

【アルミ圧延・押出品生産数】

12月のアルミ圧延・押出品生産は、10~11月の持ち直し基調を維持しつつも伸びは横ばい圏に収れんする見通しである。板類は「缶材」「はく地」が堅調だが、国内消費の減速や自動車向けモデル切替期の調整で増勢は鈍る。押出はトラック・バス向けが底堅い一方、建設向けの低迷が続き全体を押し下げる。輸出は円安が追い風となるが、米中景気の減速感と金属市況の振れが上値を抑制。総じて小幅プラス〜横ばいの安定推移が妥当なシナリオである。        

【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】

12月のアルミ2次合金市場は、欧米の年末需要の平準化と中国の景気刺激策の効果が限定的な中、総じて力強さを欠く展開となる。自動車向けは半導体供給の改善で一定の下支えが見込まれるが、完成車メーカーの慎重な生産計画が重石となり、生産は小幅な増減を繰り返すレンジ相場となる公算が大きい。出荷は在庫整理の長期化で前年割れが続く可能性が高く、特に大口ユーザーの発注が鈍い点が響く。総じて改善の芽はあるが、明確な反転にはなお時間を要する局面と評価される。

【スクラップ景況予想】

2025年12月の国内アルミスクラップ需給は、現場肌では依然として落ち着かない状況です。スクラップ回収量は徐々に戻りつつあるものの、物流の遅れや一部グレードの偏在が続き、必要なタイミングで原料が揃わないケースが目立ちます。一方で自動車部品や建材向けの引き合いは堅調で、仕入れ確保が最優先課題。結果として需給はややタイトで、価格も高止まりが続く見通しです。

 

 

 

【LME・為替予想】

●LME予想 

2025年12月のLMEアルミ価格は 1トン=2,500~3,000ドルを中心レンジとして予想する。最大の押し上げ要因は金融面で、米欧の利下げ加速によるドル安進行と、それに伴うコモディティ資産への資金回帰が強まる点である。特に米国のインフレ鈍化を受けた政策金利の連続引き下げは、アルゴ・CTA資金の再流入を誘発し、年末にはポートフォリオのリバランス需要も加わり、非鉄金属へ資金が厚く入る構造が見込まれる。景気指標の改善でリスク選好が高まる局面では、金融主導で上方レンジに張り付く展開が有力となる。

●為替予想 155円~160円

2025年12月のドル円は 155〜160円を想定。FRBの利下げペース鈍化で米金利は高止まりし、日銀は緩やかな正常化にとどまるため金利差は維持。年末にかけてリスク選好とドル需給が強まり、ドル買い優勢の展開が続く見通し。

 

スクラップ購買価格に関しては +5から+10円上げ予想。

 

 

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