今年9月に発表されていた資源大手アングロ・アメリカン Anglo American社とテック・リソーシズ Teck Resources社の530億ドルの合併案が遂に承認され、実現へと動き出す。2025年12月9日、この合併の実施に関連して提案された両決議は、アングロ社、テック社双方の株主総会においてそれぞれ必要な過半数の賛成を獲得。正式に可決されたことにより、両社は対等合併を行い、アングロ・テック・グループAnglo Teck Groupを設立する。“鉱業史上最大級の取引”として報じられている。
今後の流れとしては、2026年を通じて両社間および各管轄区域の規制当局と緊密に連携し、必要な承認を諸々取得することが合併完了の条件となる。無事に合併が完了すると、新会社アングロ・テック・グループは、カナダに本社を置き、世界的な重要鉱物分野のリーダーとして、世界トップ5の銅生産者となる。投資家らへは、銅への70パーセント超えのエクスポージャーが提供されることが期待されるという。
アングロ・アメリカン社からの声明には、CEOのDuncan Wanblad氏より株主および関係者の双方から得られた強い支持への感謝が示され、また、“双方は、本合併が両社の株主および関係者にとって極めて魅力的であり、ポートフォリオの質、回復力、戦略的ポジショニングを強化するものであると確信している”との力強い言葉も掲載されている。
ちなみに、アングロ社を欲しがっていたのはテック社だけではない。豪州企業では、資源大手のBHP社も昨年、そして先月とアングロ社の買収を試みたものの、失敗に終わっていた。また、豪大手メディアのオーストラリアン・ファイナンシャル・レビュー(AFR)紙(12月10日)によれば、Rio Tinto社もアングロ社の買収合戦に乗り出すよう自社の有力投資家から持ちかけられていたそうだが、こちらは新CEOのSimon Trott氏が先週の投資家説明会において、正式に参入の可能性を否定していたとのこと。AFR紙は、今回の合併決定の発表を受けて、“世界的な大手鉱山会社がこぞって銅資産拡大に躍起になっている現状を踏まえると、BHPとRio社はアングロあるいはテックの買収に向けてもっと努力するべきだっただろうか?”といった記事を掲載し、両社の慎重な姿勢、そして銅事業、あるいはアングロ社やテック社の可能性について論じている。
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(IRUNIVERSE A.C.)