独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は12月16日、ホームページ上で、「マレーシア連邦政府機関の東海岸経済地域開発協議会(ECERDC)との間で、レアアースおよびその他の鉱物資源分野での探査、開発に関する協力関係の構築を目的とした覚書を締結した」と発表した。マレーシアとレアアースでの提携を強める。

■探査などで協力、垂直型サプライチェーンの構築も議論
プレスリリース: マレーシア・東海岸経済地域開発協議会とレアアース等の鉱物資源に関する協力関係構築に向け覚書を締結 : ニュースリリース | 独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構[JOGMEC]
発表によると、両者はマレーシアでのレアアース資源探査や資源量評価に関係する活動を共同で実施する。また、レアアース探査に関する情報交換、各ステークホルダーとの連携、ECERDCが目指す上流から中・下流までのサプライチェーン(供給網)の構築について議論する。
■昨秋に共同セミナー、豪ライナスも工場設置
日本はマレーシアとレアアースをめぐり関係強化を進めてきた。2024年11月には、日系団体がECERDCと共同セミナーを開催。JOGMECはパネラーとして登壇するなど、下地づくりに励んてきた経緯がある。
関連記事: マレーシアでレアアース開発セミナー 東海岸評議委と日系団体、日本の技術活用で脱炭素へ
また、2023年に日本政府がJOGMECと双日を通じて出資したオーストラリア資源ライナス・レアアースも、マレーシアにレアアースの精錬拠点を置く。双日は10月30日、ライナスから日本国内向けのレアアースの輸入を開始したと発表した。
関連記事: 双日、豪州由来レアアースの輸入を開始
ライナスがマレーシアで手掛けているのは豪州産レアアースの精錬だが、マレーシア自体も、ジスプロシウムやテルビウムに富むレアアース資源の潜在力が注目されている。特に資源が豊富なのが、ECERDCが管轄するマレーシアの東海岸地域(ECER)だ。日本はこの地域で、古くから石油化学分野で協力してきた。
■中国は加工技術の供与で揺さぶり
日本のマレーシアへの接近は脱中国依存のサプライチェーン構築の一環だが、中国側も手をこまねいているわけではない。2025年4月に中国の習近平国家主席がマレーシアを訪問した際、マレーシアのレアアース産業への支援方針を示したと伝わった。レアアースの加工技術は現在、中国がほぼ独占しており、技術供与を持ち掛けて揺さぶりをかけているとの見方がある。
関連記事;中国、マレーシアにレアアース加工技術を供与か マレーシア側明かす、現在ほぼ独占・外電
(IR Universe Kure)