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【年末企画 レアアース】上昇、中国規制に揺れた1年 酸化イットリウム3.6倍高に

2025/12/22 18:19
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【年末企画 レアアース】上昇、中国規制に揺れた1年 酸化イットリウム3.6倍高に

 2025年のレアアース市況は上昇した。中間加工を独占する中国が4月に中重希土類を中心に輸出規制をかけ、磁石向けの軽希土類の輸出も滞った。世界的にレアアースの供給不安が高まり、種類によっては品薄感から価格が急騰した。

 中国は4月4日、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ルテチウム、スカンジウム、イットリウムの一部を輸出規制の対象とした。

 

関連記事:中国、中重希土類に輸出規制 4日から テルビウムやジスプロジウムなど、レアメタルに続き

 

■中国規制対象、イットリウムとサマリウムが年後半に急伸、テルビウムも高い

  輸出規制の対象となったレアアースのうち、値上がりトップはイットリウムだ。酸化イットリウムは12月12日に$22.05/kgと、年初($6.1)の3.6倍に上げた。中国の規制直後の反応は鈍かったが、夏ごろから米国でイットリウムの在庫枯渇が言われ、秋以降に急伸した。

 

2025年の酸化イットリウムの価格推移(99.999% FOB China)(S/Kg)

 サマリウムも似た経緯をたどった。金属サマリウムは12月19日に$14.25/kgと年初($10.45)から36%上昇。やはり秋以降に急伸した。金属テルビウムは規制直後から供給懸念が根強く、11月28日に$1300/kgと年初($965)から同じく3割強値上がりした。

 

2025年の金属サマリウムの価格推移(99.5% FOB China)(S/Kg)

2025年の金属テルビウムの価格推移(99% FOB China)($/Kg)

 ほかのレアアースでは、規制の影響は小幅にとどまった。酸化ガドリニウムが9%上げた。金属ジスプロシウムと酸化スカンジウムはそれぞれ5%程度上昇。酸化ルテチウムは0.4%値下がりした。

 

■ネオジム5割高、磁石向け需要の期待根強く

 中国の輸出規制にならなかった軽希土類も好調だった。磁石向けの金属ネオジムは12月19日に$106.75/kgと年初($69.25)から54.2%値上がりした。電気自動車(EV)の販売は足踏みしているが、車載電池の需要は根強いと見た買いが強かった。

 

2025年の金属ネオジムの価格推移(99% FOB China)($/Kg)

 

 世界の製造業は低調が続き超硬需要も弱かったが、金属ランタンも8%上げた。

 

■11月の米中休戦期限がカギ、時間差で品薄感強まる可能性も

 2026年のレアアース市場は2025年に比べれば落ち着くと見込まれる。10月末の米中首脳会談を経て、中国はレアアースの輸出規制に関し対米禁輸を中止するなど「一時休戦」の姿勢を取る。休戦期限となる2026年11月までは、レアアースをめぐり新たな制裁政策には踏み切りづらいとみられるためだ。実際、中国は対日関係が悪化する中でもレアアースの対日輸出規制には踏み切っていない。2026年は新たな規制に慌てる場面は少なくなるだろう。

 ただ、イットリウムのケースのように、時間をおいて品薄が意識される場面はありそうだ。11月以降に中国が規制再開に踏み切れば、市況が再度混乱する恐れも残る。

 

(IR Universe Kure)

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