25年末から大平洋金属の株価が上昇している。同社株はLMEニッケル価格との連増勢が高いのが特徴。
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しかし、25年11月末からその連動性が崩れ、低迷していたが、12月18日をボトムに上昇基調に転じ、26年1月9日は、前日比軟化したものの、1か月足らずでボトム対比26.6%も上昇している。
図表1、同社株価推移(25年9月末=100)

出所:YahooファイナンスよりIRU作成
足もとのLMEニッケル価格の上昇傾向に加え、昨今メディアで話題になっている南鳥島でのレアアースが関係しているようだ。
同社は25年2月19日に「世界初:商業規模の多金属ノジュールの連続製錬試験に成功」とのプレスリリースを発表しており、投資家などは、これに注目したようだ。
これは、深海から採掘したマンガンノジュール(マンガン塊)2,000トンからニッケル・銅・コバルト合金を35トン、珪酸マンガン320トンの取り出しに成功したとの内容。今後は130万トンのマンガンノジュールの製錬を目指している。
今回、南鳥島沖で始まるレアアース泥の掘削ではあるが、そのレアアース泥の上昇部にコバルトリッチクラスト層が広がっているため、その連想買いがあったようだ。ちなみに、コバルトリッチクラスト層の上部にはマンガンノジュールが、ゴロゴロ転がっており、これらについては、経済産業省とJOGMECが取り組んでおり、今回のレアアース泥ついては内閣府が中心となって取り組んでいるため、今後連携が取られるのか、はたまた、縦割りのお役所仕事で終わるのか、注目したいところだ。
いずれにしろ、南利島の試験掘削の話題性が無くなれば、これによる株価の押し上げ要因はおさまると思われる。ちなみに、フェロニッケルメーカーである同社にとって、コバルトは製錬時に副産物として取れるため、関連性があるが、レアアースは全く関連性が無い。
<参考>
図表2、LMEニッケル価格の推移

出所:LMEよりIRU作成
(IRuniverse 井上 康)