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日本鍛圧機械工業会受注 25年12月受注10.6%増219億円、25年暦年2.9%減2421億円

2026/01/16 05:20
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日本鍛圧機械工業会受注 25年12月受注10.6%増219億円、25年暦年2.9%減2421億円

日本鍛圧機械工業会受注 25年12月受注10.6%増219億円、25年暦年2.9%減2421億円

 

鍛圧機械12月受注は同月比10.6%増218.72億円と2ヶ月連続同月比増加、板金系好調

金属加工機械である鍛圧機械の12月受注(1/13発表)は218.72億円(同月比10.6%増、前月比0.7%減)と、2ヶ月連続同月比増となった。また前月比では微減となったが、200億円大台を辛うじて維持した。

国内が106.05億円(同月比12.2%減、前月比15.0%減)と4ヶ月ぶりに同月比減となった。一般機械のみ14.1%増加、鉄鋼63.8%減、金属17.9%減、輸送5.4%減、電気8.6%減など総じて冴えない。輸出は112.67億円(同月比46.3%増、前月比18.1%増)と2ヶ月連続同月比増加、前月比では4ヶ月連続増加となった。中国89.8%増、北米87.7%増、欧州64.6%増、韓国48.6%増、一方で東南アジア、インド向けは減少した。

機種別でプレス系が104.95億円(同月比3.6%増)と2ヶ月連続同月比増となり2ヶ月連続で100億円超えを維持した。11月のような自動車関連での大型受注はないが、小型プレス8.7%増。油圧プレス51.9%増、フォーミング72.6%増など。一方、超大型、大型、中型プレスは減少した。板金系は113.77億円(同月比17.8%増、前月比26.2%増)と5ヶ月連続同月比で増加した。ブレーキシャー26.9%増、パンチング23.7%増などで、レーザ・プラズマのみ0.3%増と微増にとどまった。全体としてプレス系は11月に自動車向け大型受注で一段落したものの、EV不振による自動車向けの影響が大きく、板金系は回復が継続しているものの、不安定な受注が続いている。

 

2025年の鍛圧機械受注は2.9%減の2420.5億円と3年連続で減少

 2025年暦年での鍛圧機械受注学は前年比2.9%減の2420.5億円となり、3年連続で減少となった。この数字は2024年年初の予想値2520億円に対し100億円下回り、7月改定の見通しの2460億円に対しても40億円下振れる結果に終わった。

 国内は1471.1億円(0.2%減)と微減となった。工業会期初予想1460億円、7月予想1450億円に対し僅かに上振れたものの、3年連続の減少となっている。輸送向けが17.5%増、金属8.2%増となったが、鉄鋼・非鉄金属2.5%減、一般機械2.5%減、電機6.8%減など大きな変動はなかったものの、全般に冴えない状況が続いた。

 輸出は949.4億円(6.8%減)となった。工業会期初予想1060億円、7月予想1010億円に対し下振れし、3年連続減少し、5年ぶりに1000億円の大台を割り込んだ。中国向けは42.2%増、韓国・台湾向け27.2%増などがプラスとなった。一方で、インドが37.1%減で反動減、北米12.6%減、東南アジア16.5%減、欧州18.4%減など、軒並み2ケタ減少となった。欧米においてはEV投資の見直し等が影響しているとみられる。

なお、国内、輸出ともに近似曲線を当てはめてみたが、この10年で横ばい状況が続いている。

機種別動向では、プレス系機械が1300.0億円(13.2%減)となった。工業会期初予想

1360億円に対し60億円下振れ、7月予想1230億円に対しては70億円の上振れとなったが、3年連続で減少した。小型プレス20.7%増、自動化安全装置11.9%増も、超大型プレス0.2%増にとどまり、大型、中型プレスが減少した。輸出がEV向けなどの不振、トランプ関税影響などで20.7%減少し、500億円割れとなった模様。国内は3.4%減と、何とか700億円程度を保ったとみられる。

板金系機械は1227億円(6.7%増)となった。工業会期初予想1160億円、7月予想1230億円に対し、7月予想並みに着地し、3年ぶりに増加に転じた。パンチング12.0%増、プレスブレーキ・シャー12.3%増などが増加、一方でレーザ・プラズマは3.2%減にとどまった。板金系では輸出が13.5%増と2桁の伸びを示し、1000億円の大台を回復、データセンタ投資などで社会インフラ向けの需要拡大がプラスとなっているとみられる。国内も6.7%増で、200億円大台を維持した。

なお、機械に加えサービス等を加えた受注金額では3385億円(1.2%減)となっており、サービス等を加えても3年連続で減少となっている。ちなみにサービス等は964億円(2.9%増)と5年連続で拡大し、1000億円大台に迫りつつある。サービス化などを評価する向きもあるが、ある面では、設備投資を抑制し、設備年齢が高まった機械を更新せずに利用し続けている状況で想定され、必ずしもサービス等の拡大が望ましいとは一概に言えない状況と言えよう。

 

2026年工業会予想は3.3%増の2500億円を見込み、輸出拡大とプレス系の回復見込む

工業会では12/8に2026年の受注予想を開示、2026年暦年予想を3.3%増の2500億円とした。国内を1420億円(3.5%減)、輸出1080億円(13.8%増)予想とした。伸び率が12/22発表と異なるのは、2025年暦年予想がずれていたため。国内は政府による積極財政の下支え、半導体関連装置への投資が期待されるも、EV化の停滞影響を受けて伸び悩む見通しに。一方、海外は2024年にトランプ関税問題の影響を受けて一部遅延していた案件の進展、加えてAIデータセンタ投資で板金系の伸びが継続する見通し。さらにインド市場などで自動車関連での大型設備投資も期待がある。

機種別ではプレス系が1260億円(5.6%増)予想。EV向けの伸び悩みは懸念材料であるが、一方でトヨタが6年連続で生産台数トップを誇るなどで、一部売れ筋車種で車体パネルや駆動部品成形への能力増強投資の計画もある。さらにHEVの既存ラインの更新需要なども期待されるなど、プラス要素もある。板金系は1240億円(1.0%増)と緩やかな伸びをみている。プレス系は関税問題で遅延していた案件の進展などが考えられ、板金系は一部納入済みで、一服するイメージと考えられる。ただし半導体製造装置やAIサーバなど精密筐体やラック加工などの加工需要が旺盛であり、台湾のフォンファイなどは従来のiPhon向け供給からサーバーラック生産などで業態変化も進展するなどの動きがあり、板金系は上振れの可能性がある。

全体として、今年は輸出主導で緩やかな受注拡大が見込まれる。しかし為替変動によっては利益に大きな変動があり得る。鍛圧機械各社は、力のあるアマダやアイダエンジニアリング、総合重機兼業メーカー、総合電機メーカーなどを除き、経営環境は決して楽観できない状況が続くとみられる。このように、既存製品での展開ではジリ貧となる懸念もあることから、鍛圧機械メーカーとして収益拡大の鍵となるのは新技術やAI対応の製品開発となる。具体的にはプレス系ではサーボプレス技術の進化(EVモーターコアに代表される超高速、超精密制御)、HPHT(高温高圧法)などのダイヤモンド次世代半導体や新素材開発への対応なども期待される。また板金系ではファイバーレーザの高出力化、短パルス化、AIによるプロセス自動制御などが注目されている。さらに厚物加工を可能とするプラズマ加工機なども期待される。またレーザー切断の応用として、次世代半導体ガラス基板切断への応用も開発が進められており、これら革新技術の実用化が待たれる。

 

(IRuniverse Okamoto)

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