米ブルームバーグ通信が1月15日に伝えたところによると、英豪リオ・ティントとスイスのグレンコアの資源大手2社が、グレンコアの石炭資産の分離を検討しているようだ。両社は1月8日に、統合に向け協議していると発表済みで、資産の整理は統合への第一歩となる。一方で、リオには中国の国有企業が出資しており、統合には中国政府の承認が必要との見方も出てきた。
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両社はリオ・ティントがグレンコアの一部または全部を買収する形で統合する。リオは2月5日までに買収の有無を明示しなければならない。このため市場では、買収形態がどのようなものになるか、憶測が飛び交っている。
■グレンコア、石炭や仲介事業を整理か
ブルームバーグによると、両社はグレンコアの石炭事業を分離し、オーストラリア株式市場(ASX)に上場済みの金融商品に組み込むことを検討している。分離は統合前になるとの見方がある。グレンコアがオーストラリアや中央アフリカ、南米などで手掛ける石炭事業はグレンコアのEBITDA(利払い前・税引前・減価償却前利益)の約8%を占めるという。
また、グレンコアの商品取引仲介事業も、買収に当たって整理の対象になるとの観測がある。リオはグレンコアの銅事業だけを買収するとの見方もある。
■リオは中国アルミ業との関係がネック?
一方、1月16日のロイター通信は、「(両社は)中国への販売規模が大きく、取引は中国当局の承認が必要になる」との識者の見方を伝えた。統合した新会社による銅や鉄鉱石の中国への販売量が莫大となり、中国の独占禁止法に接触する可能性があるという。
また、リオには中国国有大手の中国アルミ業(チャイナルコ)が10%弱出資して筆頭株主になっている。リオは2025年11月に操業を開始したばかりのギニアのシマンドゥ鉄鉱石鉱山の開発・運営でも、中国アルミ業をはじめとする中国企業と協業する。
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オールドエネルギーからニューエネルギーへの転換を背景に鉄鉱石などのベースメタルから、銅やマイナーメタルへの移行を目指す動きは強まっている。このため、2026年は資源企業の統合や淘汰の動きが加速するとの見方が出ている。しかし、統合は口で言うほど簡単ではない。シナジー効果を期待するには、非中核資産を整理し、しがらみも解消しなくてはならない。リオとグレンコアのような大企業同士なら、障壁はなお多い。
(IR Universe Kure)