中国税関総署が1月20日に発表した2025年12月の貿易統計月報によると、同国の12月のタングステンの輸出量は1057トンと前年同月比41.1%減少した。減少率は11月の45.6%減からやや縮小したが、中国の輸出の鈍さから国際市場での供給不安は強く、ベンチマークとなるタングステンAPT価格は高値が$1000/MTUの大台目前に上げている。
■25年の輸出量は前年比24%減
プレスリリース: 2026011811042962472
12月の輸出量は前月比では27%増えた。中国は2月にタングステンを輸出規制の対象に含め、2月は438トンまで輸出量が落ち込んだ。6月以降に輸出は戻り、8月は規制前の1月(1631トン)と並ぶまでに回復したが、秋以降に再び鈍っている。2025年通年の輸出量は1万2623トンで、前年比23.7%減った。
■APT、高値987ドルに
タングステンの供給不安は強まるばかりで、価格も天井知らずの上昇が続く。ベンチマークとなるタングステンAPT価格は1月16日に高値$987MTUと、$1000の大台が目前となった。仲値でも$968.5で、1月中に$1000に乗せてもおかしくない。
過去3か月間のタングステンAPT価格の推移(EU Freemarket)($/MTU)

■対日禁輸の対象に? 秋以降は対日輸出鈍る
タングステンは対日輸出規制も気がかりだ。中国政府は1月6日に軍民両用品の対日禁輸を打ち出したが、具体的な品名には言及していない。市場では、レアアースよりもむしろタングステンが対象になると警戒する声もある。
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そもそも、中国から日本へのタングステン輸入は2025年に鈍った。10月は2016年2月以来ほぼ9年半ぶりに、中国からのタングステンAPT輸入がゼロになった。11月は輸入があったがそれも従来よりも少量だった。
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日本は中国以外からの輸入を増やしているが補いきれず、タングステンの輸入価格は上昇している。中国の輸出が鈍い以上、輸入価格も国際価格の上昇に引っ張られる状態が続きそうだ。
(IR Universe Kure)