次世代車載電池として注目のナトリウムイオン電池がいよいよ量産対象になってきた。車載電池世界最大手の中国の寧徳時代新能源科技(CATL)は、1月22日に発表した新モデルの電気自動車(EV)のうち、低温対応の軽商用車にナトリウムイオン電池を搭載する。ナトリウムイオン電池は安く作れるがエネルギー密度が低い。商用が広がるかが注目される。

(出所:CATL発表資料)
プレスリリース: 有天行,马上行!
発表によると、ナトリウムイオン電池を搭載するのは新モデル「天星II」の軽商用車の低温対応バージョン。電池容量は45キロワット時(kWh)で、具体的には小型・中型バンや小型トラックなどに搭載する。マイナス20度でも利用可能な電力の9割超を維持するなど、低温に強いのが特徴だ。
ナトリウムは自然界に広く分布するため、従来のリチウムイオン電池に比べ低価格で生産できる。しかし、国際調査会社の英プロジェクト・ブルー(Project Blue、本社:ロンドン)リサーチマネージャーのドミニク・ウェルス(Dominic Wells)氏は2025年12月にir Universeの取材に対し、「ナトリウムイオン電池はエネルギー密度が低く、現時点では使途が限られる」と指摘していた。
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中国メディアの新浪網の1月27日の報道によると、CATLはナトリウムイオン電池の乗用車への搭載も計画中で、4-6月期に量産する計画という。将来的には建設機械などにも使用範囲を拡大したい考えと伝わった。
車載電池の材料には、ナトリウムのほかにマンガンなども注目されている。ただ、いずれも基本的には研究段階。ウェルス氏はナトリウムイオン電池について「ニッケルと類似しているため、同じ条件なら(性能面で勝る)ニッケルが選択肢になっている」とし、「普及には一段の技術開発が望まれる」としていた。
(IR Universe Kure)