2026年1月下旬~2月上旬のレアアース市況は一部上昇。軽希土類のみ上昇し、ほかは横ばいか小幅な修正にとどまっている。電気自動車(EV)の中長期的な普及期待などを背景に先行きの需要堅調期待が比較的強い金属ネオジム価格は値上がりした。しかし、中国の春節(旧正月)連休が接近する中で取引量が減っている。
■中国のレアアース価格指数、1月は上昇
中国の業界団体である中国稀土協会が2月4日に発表した中国の1月のレアアース価格の平均値は235.3と、2025年12月の213.5から上昇した。安値は1月4日の217.0、高値が1月30日の260.3で、月末に向け上昇した。2月6日の平均値は265.4と、前日(263.5)から上昇し、2月に入っても値上がりが続いている。
中国レアアース指数の推移

(出所: 中国稀土協会)
■金属ネオジム3年ぶり高値、対日輸出禁止なども影響か
金属ネオジムの価格推移(99% FOB China)($/Kg)

磁石向け需要の大きな軽希土類のネオジムは2月6日に$142.75/kgと、2023年2月以来3年ぶりの高値を付けた。上海有色網(SMM)は2月6日までのレポートで、中国国内でネオジムのスポット価格が上昇していると指摘。理由として「国内分離企業の操業制限による供給不足、輸出量の減少、そして旧正月前の休暇の影響」を挙げた。
このうち、輸出は中国が1月6日に実施した軍民両用品の対日輸出禁止が影響している可能性がある。
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■春節接近で取引鈍る
金属ジスプロシウムの価格推移(99.5% FOB China)($/Kg)

金属テルビウムの価格推移(99% FOB China)($/Kg)

金属ランタンの価格推移(99% FOB China)($/kg)

ただ、ほかは動きがない。中重希土類の代表格である金属ジスプロシウムと金属テルビウムも1月16日に上昇した後、横ばいが続く。金属ジスプロシウムが2024年11月以来、金属テルビウムが2024年1月以来と、いずれも1年以上ぶりの高値圏にある。金属ランタンは2025年12月下旬から横ばいだ。
酸化イットリウムの価格推移(99.999% FOB China)(S/Kg)

2025年後半に急伸した酸化イットリウムは小幅に上昇した。2月6日に$22.25/kgと、1月上旬の水準に戻した。ただ高値横ばいで、値動きは微調整の範囲内だ。SMMは「下流の買い手は徐々に休暇入りし、調達を停止している」と伝えた。
2月2日・6日
2月に入り、西側諸国と中国とのレアアースを巡る攻防が活発化した。米国がレアアースの民間向け備蓄を始め、55か国・地域が参加する「重要鉱物サミット」を開催。日米欧が供給網構築で共同声明を出した。一方の中国は禁止していたとされる対日輸出を複数認可したと伝わった。
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2月2日
内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)とJAMSTECは2月2日、「南鳥島EEZ海域でのレアアース泥採鉱システム接続試験の状況について」について正式に発表した。2月1日未明に最初のレアアース泥が船上に揚泥されたことを確認したと報告した。
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1月28日
米豪資源のコア・エナジー・マテリアル(Core Energy Minerals)は1月28日、英豪同業のリオ・ティントから買収したブラジルの鉱山でのレアアース探査を始めたと発表した。
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1月22日
米資源のアメリカン・レアアース(American Rare Earths)は1月22日、米ワイオミング大学との共同研究が助成金を獲得し、米国内のレアアース採掘時の副産物の活用を進められると発表した。
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(IR Universe Kure)