2月13日10時、東海カーボンは前日発表した25/12期決算を受けて、説明会を開催した。説明に使われた資料はこちら。説明は平井財務経理部長が行った。
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<25/12期決算概要>
〇決算概況(資料4ページ)
●売上高は、米国拠点の連結子会社化とメモリー半導体需要の回復、これらによりファインカーボン(FC)事業セグメントで24年比増収となった。
一方で、黒鉛電極(電極)事業の統一拠点子会社の持ち分売却、カーボンブラック(CB)事業の販売価格の低下や販売数量の減少などにより、減収となった。
●営業利益は、電極事業の構造改革、そしてスメルティン&ライニング(S%L)事業において前期に行った減損損失の計上等により、両セグメントとも損益が大幅に反転、改善した。4Qには、CB事業において、株式取得に伴う価格調整等の一過性の損失を計上したものの、生産効率の改善やコスト削減が寄与して、全体では増益となった。
●EBITDAは、前期比で減少はしたものの、EBITDAマージンは改善、水準も引き続き10%台後半を確保した。
●当期利益は、営業利益の増加に加えて、前期の構造改革費用や減損損失の一巡、さらに、資本効率の向上を目的とした政策保有株式の売却益、これもあり大きく増額となった。
●25年は、米国の関税政策や世界的な貿易摩擦といった外部環境が期初の想定から大きく変化しているという中で、売上高をはじめとして、営業利益、経常利益、当期利益、これらはいずれも前回公表した業績予想を上回る形で着地した。
●ブリヂストンのCB製造販売を行うタイ子会社の連結子会社化、これをはじめとする将来の成長に必要な戦略投資や設備投資については、厳選しつつも継続している。
これを受けて、財務面では、有利子負債が前期末比でやや増加はしたものの、財務健全性や流動性、これらは引き続き高い、良好な水準を確保するとともに、資本コストも考慮した適正なレバレッジ、最適資本構成を維持しており、信用格付け等についても安定的な推移となっている。
●配当は、期末配当を1株15円と公表予想から変更なし。年間配当30円を維持し、当期利益に対する配当性向としては31.9%。
<業績サマリー>(同5ページ)
売上高は前期比7.8%減収の3,229億円、営業利益は33%増の258億円、ROS(営業利益率)は8.0%と、前期から2.5ポイントの上昇、改善となった。
EBITDAは前期比4.4%減益の584億円、EBITDAマージンは18.1%ということで、0.6ポイント上昇となった。
営業利益から下のところ、営業外損益で前年比較、為替差益の減少等があったが、先ほど説目した投資有価証券の売却益の計上や24年の事業再編引当金、これの一部戻し入れ等もあり、当期利益は、赤字となった前期から765億円改善して、200億円の黒字となった。
〇セグメント別(同6ページ)
S&L、電極は前期に計上した減損等の一巡の効果もあり営業利益が大幅増益となり、この2つの両セグメントでは、EBITDAもそれぞれ31億円、48億円の増益となった。
これまで牽引してきたCBとFCセグメント等では減益となり、やや苦戦しましたが、営業利益は増益、そして、3Q時点で公表した予想240億円を18億円強上回る、7%強上回る結果となった。なお、営業損益、EBITDAは全セグメントで黒字に転換している。
〇セグメント
●CB(同7ページ)
前期比6.2%の減収、営業利益は39%の減益となった。日本、米国、タイ、それぞれの拠点により差異はあるが、全体としては、ページ下段の前期との比較増減分析のウォーターフォールチャートに示しているとおり。前期比の減収は、ユーザーであるタイヤメーカーにおける生産調整等による販売数量減と販売価格の下落、これが主な要因。米国での回復が想定より遅れたといったところが特徴。
営業利益は、マージンの縮小と4Qからの連結子会社となったタイのCB製造販売子会社にかかる価格調整に伴う一過性の損失があり、これによって減益となった。
3Q公表予想に対しては、売上、営業利益とも上回る着地となった。
●FC(同8ページ)
前年比3.9%増収、営業利益は38%の減益となった。ROSは13.8%、前期比では9.3ポイントの低下となったが、引き続き2桁の水準は確保している。こちらのセグメントでは、メモリー半導体需要の回復に伴い、主要製品であるソリッドSiCフォーカスリングの販売数量が増加し、これに米国拠点の連結子会社化が寄与し売上高は増収となりました。
営業利益は、世界市場でのEV(電気自動車)の成長が鈍化したことによるSiCパワー半導体関連市場の成長減速という中で、中国における競争激化等もあり減益となった。
下段のウォーターフォールチャートにあるこちらのセグメントでは、数量、マージン、為替、その他固定費の償却費等が減益要因となっている。
●S&L(同9ページ)
前年比4.3%減収、営業利益は150億円余り改善し、15億円の黒字に転じた。減収は、アルミ精錬炉の回収需要の回復の遅れ、競争激化による。
営業利益は、コストの削減やのれん償却費の計上の一巡により、気象見通しゼロとしていたところ、3Qで10億円ほどとの予想にたいして大きく改善し、通期で黒字に転換した。3Qの予想に対しては、営業利益は5割ほど増加している。
なお、のれん償却償却費減の効果を除いた利益水準は、前期比で28億円の改善と見積もっている。
●電極(同10ページ)
前期比23%減収、金額で▲112億円ほどの減収、営業利益は約59億円改善し、24億円ほどの黒字となった。鉄鋼市況が丁重に推移したこと、中国の積極的あるいは過剰とも言える鉄鋼製品輸出により電極の市況も低迷しているが、同機の減収の要因としては、2Qから連結より外れドイツの子会社の売却の影響が、数字上は大きく出ている。
損益面では、原材料価格等の低下により生産コストが低下したこと、国内工場の生産集約の効果が前倒しで出てきていることもあり、さらには、赤字であったドイツ子会社の売却等の効果により、セグメント全体として黒字転換、増益となった。ということで、下段にウォーターフォールチャートを示しているが、セグメントについては、数量像が増収要因、売価、非連結化、その他が減収要因、営業利益については、数量とマージン、赤字子会社の売却で増益となった。
●工業炉及び関連製品(同11ページ)
34%の減収、31%の減益となった。世界的なLiB市場の成長の鈍化、MLCC、積層セラミックコンデンサー市場の回復の遅れ、これらにより、工業炉それから発熱材の主要マーケットである電子部品業界における設備投資需要が低迷、これが続いているということで、ユーザーからの納期の後ずれの要望とかの影響もあり、数量減を主因とする減収減益となった。
〇キャッシュフローや財務については資料の12-13ページを参照。
<26/12期業績予想>
〇業績予想(同15ページ)
売上高は、その他セグメントに分類されているもの以外の5つの主要セグメントの中で、電極事業は2%の減収を見込んでいるが、CB、FC、S&L、工業炉関連で増収、全体では7%強の増収を見込む。
一方、営業利益は、タイにおける新拠点、新工場の本格的な操業開始によって減価償却費が増加することでCB、それからパワー半導体関連の継続の可能性があるFCも慎重に見て減益を見込む。S&Lや工業炉の増益を見込むものの、なお、世界情勢、世界経済の不確実な状況が高まるとみているので、これらも慎重に見て織り込み、おおむね25年実績比横ばい、25年並みの利益を確保するように見込んでいる。
EBITDAは増益。ROSは7.5%、EBITDAマージンが18.4%となる見通し。当期利益は、特別利益がなくなることから106億円。
配当は、この期初段階では年間1株当たり30円の継続を想定。セグメント別の実績や予想は資料16ページを参照。
(IRuniverse 井上 康 )