タイヤ製品のスチュワードシップ制度を運営する豪州の非営利団体「タイヤ・スチュワードシップ・オーストラリア(TSA)」は今月、包括的な新報告書『タイヤ供給網分析:豪州のタイヤ循環型経済成長の機会』を発表した。豪州でタイヤの循環経済を達成するにあたり障壁となっている存在・現象を明らかにしたという同報告書は、全体で30ページ以上に及ぶものだが、要点をまとめたメディアリリースも発表しており、本記事はこのメディアリリースの内容を伝えるものである。
まず、現在、豪州の廃タイヤ再利用・リサイクル率はわずか26パーセントとのことで、“豪州のタイヤ循環経済は(製品管理スキームへの)義務参加制度なしでは成長不可能”という冒頭の一文が目を引く。TSAはタイヤの供給網の分析によって、循環性を阻害している33の重要課題を特定したといい、なかでも最も重大な制約事項6点が要約には記されている。
1. フリーライダー輸入業者 — 交換用タイヤ輸入の47パーセント、装着済みタイヤ輸入の99パーセントがスキーム課徴金を回避し、不公平な経済的優位性を獲得している現状
2. 闇収集業者 — 認可を受けていない事業者が合法的な収集物の邪魔をすることで、地域社会・環境・財政に重大な影響を及ぼす不法投棄を招いている
3. 鉱山での現場埋設 — 回収手段が存在するにもかかわらず、鉱山用タイヤ10万トン/年が埋設を許可されている
4. 農場での投棄・焼却 — 収集コストが高いため、農場で大型オフロードタイヤの日常的な投棄・焼却が行われている
5. 低いリサイクル率 —豪州では使用済みタイヤのわずか17パーセントがリサイクルされ、40パーセントがエネルギー回収、30パーセントが埋立処分に回される
6. 未発達な循環型最終市場 — タイヤ由来材料の調達不足、エネルギー回収への過度の依存、大型オフロードタイヤ埋立の継続的許可により成長が阻害されている
本報告書はこれらの制約を解決するための現状および潜在的な機会を検討。その結果、“現在の自主的アプローチを最適化しても、成長は限定的なものにとどまる”として、“最も効果的な解決策は国または管轄区域レベルでの強制参加スキームである”との結論に至っている。
TSAのCEOを務めるLina Goodman氏は、「調査と報告の段階は終わりました」と語り、業界も準備ができているとした上で、「今必要なのは、連邦政府や州政府からのコミットメントです」、「必要な次の措置を講じることができるのは政府だけなのです。今こそ行動を起こすときです」と力強くコメントしている。
(IRUNIVERSE A.C.)