高値警戒感から調整場面にあった銅スクラップ市況が再び上値を試し始めている。主要スクラップの1号ピカ線は4日現在1キロ2,015円と初の大台を記録し、直近安値の2月中旬比で135円高の水準にある。「商い自体はどちらかといえば依然として振るわないが、4‐6月の長期契約分の手当が一部で動き出した」ことで潮目が生まれた。ただ、当面の焦点として春節休暇明けの中国向け輸出動向や、中東情勢の緊迫化など新たな材料も出てきており、指標となる3日のLME相場(現物)は1トン1万2,820ドルと前日比410ドルの大幅安となった。リスクオフの流れが浮き出た形で、銅建値も4日、前日比1キロ40円値を下げ、目先押し戻される余地も広がってきた。

3か月間のLME銅・建値相場
4日現在、銅スクラップ市況の主な値動きを見ると、1号ピカ線、雑ナゲット、込銅はそれぞれ、1キロ2,015円、1,990円、1,920円を付けており、2月中旬比でいずれも135円高となっている。2月上旬にピークアウトした後、中旬まで調整場面が続いていたが、底値を確認した後、上げ足を速めた。それが3日までの流れである。

20年間の1号ピカ線相場

20年間の雑ナゲット相場

20年間の込銅(製錬向け Cu95%)相場
「需要家筋の製錬・伸銅品の買い意欲に大きな変化はなく、市場の需給は引き続き低位安定状態にあるが、高値掴みの在庫を早めに整理した問屋筋が4‐6月の長期契約分の手当てに動き始めた」「LMEの高値相場にも慣れ、警戒感が薄れて、手持ち在庫と相談しながらの成行買いも出てきている」。市場関係者の話を総合すると、流通段階のそうした動きが足元の市中買上げ相場を上向かせてきたといえそうだ。
当面の焦点は、緊迫化する中東情勢の跳ね返りだ。「構造的に、中東の荷は一定量日本にも入ってきている」ため、直接的な需給への影響のほか、エネルギーコストの上昇などを映したLME相場経由の間接的な波及も無視できない。ただ、LME相場を超高値水準に押し上げていた投機資金が地政学リスクを意識して、リスクオフの動きを本格化させ市場から逃げれば、前提が崩れる。
春節休暇明けの中華系の買い付け動向もある。「動き始めた」との声もあるが、景気低迷で、どの程度の盛り上がりを見せるのか、読み切れない部分も多く残しているからだ。中東情勢と併せ、海外要因がどう作用するのか、警戒モードを上げて注視しておく必要があるだろう。
3日現在のLME在庫は月初比8万3,000トン増の25万7,675トンとなっており、1月中旬以降、増勢基調が鮮明になってきている。
(IRuniverse G・Mochizuki)