実証設備(神戸市ポートアイランド地区内神戸水素エネルギーセンター)
川崎重工業と神戸製鋼所は10日、水素発電における次世代水素燃料供給システムの運転を開始し、世界で初めて、液化水素ポンプによる臨界圧力以上への昇圧と中間媒体式液化水素気化器 (IFV)を組み合わせた、発電設備への水素燃料の供給に成功したと発表した。
実証では、川崎重工は液化水素ポンプによる昇圧を活用したガスタービン発電向け燃料供給システムの高効率化を、神戸製鋼所は液化水素の冷熱利用が可能となる IFVの開発をそれぞれ担当する。1月から実証試験を開始し、ウェット燃焼方式ガスタービンへの水素燃料供給に成功。今後、ドライ燃焼方式ガスタービンへの供給や夏場の運転条件の厳しい環境下での運転確認、液化水素ポンプの長期信頼性試験などを継続して進めていく予定だ。
両社が開発を進めている水素燃料供給システムでは、液化水素ポンプが、水素を液体のまま効率的に昇圧するため、既存の水素をガス状態で昇圧し発電設備に供給する方式に比べて、大きな圧縮動力を必要とせず、発電システム全体の省エネ性を高めることができる。また、IFVにおいて気化時に発生する冷熱エネルギーを回収することで、ガスタービンの吸気冷却用途をはじめ、冷凍・冷蔵設備、データセンターの冷却、業務用・産業用空調など多様な用途への応用が可能となる。
さらに、将来のコンビナート・工場・コミュニティー等における水素 CGS の社会実装を見据えた、液化水素による大規模水素発電への拡張性も備えているという。
(IRuniverse K.Kuribara)