2026年3月中旬~3月下旬のレアアース市況は小幅な動きとなっている。国際政情の不安定化を遠因に最終製品の需要に様子見的な気分が強まり、これまで好調だった軽希土類のネオジム価格に調整が入った。一方で資源枯渇懸念の強いイットリウムは一段高となり、鉱種によって明暗が分かれている。
■中国指数が調整、欧州向け輸出に不安感
中国の業界団体である中国稀土協会が日次で発表しているレアアース価格指数は3月23日に258.7だった。前週末(3月20日)の255.3からは小幅に上昇したものの、2月27日に付けた直近高値(307)からは調整が入っている。
中国レアアース指数の推移

(出所: 中国稀土協会)
上海有色網(SMM)は3月19日までのレポートで、「下流の金属工場で観測的な気持ちが高まり、全体にこれまでの好調なセンチメントが変化している」と伝えた。SMMによると、中東での紛争継続は中国のレアアース輸出には大きな影響を与えていないが、物流の混乱は中東経由での欧州向け輸出に影響する可能性があるという。
■ネオジム小幅安、イットリウムは一段高
金属ネオジムの価格推移(99% FOB China)($/Kg)

中国価格の調整を受け、磁石向け需要の大きな軽希土類のネオジムも調整している。3月19日に$151.5/kgを付けた。3月6日-12日の$167を頂点に小幅に値下がりしている。2月12日以来の安値だが、中長期には2022年夏以来の高値圏にある。
酸化イットリウムの価格推移(99.999% FOB China)(S/Kg)

一方、酸化イットリウムは一段高。3月19日に$24.05/kgと、節目の$24を超えた。2013年5月以来およそ13年ぶりの高値水準にある。酸化イットリウムは2025年秋から資源枯渇が意識されて急伸。2026年に入り伸び悩んだが、再び勢いがついている。
■中重希土類とランタンは横ばい
金属ジスプロシウムの価格推移(99.5% FOB China)($/Kg)

金属テルビウムの価格推移(99% FOB China)($/Kg)

金属ランタンの価格推移(99% FOB China)($/kg)

ほかのレアアースは横ばいが目立つ。中重希土類の代表格である金属ジスプロシウムと金属テルビウムは3月6日から動きがない。金属ランタンは2025年12月下旬から横ばいが続く。
<Topics>
3月19日
オーストラリア資源大手のライナス・レアアースは3月19日、上場するオーストラリア証券取引所(ASX)で、「マレーシア工場でサマリウム酸化物の生産を始めた」と発表した。サマリウムの生産を手掛けるのは中国以外では同社が初めて。
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ライナスには日本政府が出資し、双日を介して中重希土類を日本向けに輸出している。3月上旬には日本との長期供給契約を発表した。一方、双日もライナスとの鉱山開発での協力を検討し始めたと発表していた。
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3月18日
中国税関総署が3月18日に発表した2026年1月と2月の貿易統計月報によると、同国の1-2月のレアアース製品の輸出量は前年同期比13.6%増の2万2745トンだった。
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3月18日
豊田通商は3月18日、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)がアフリカのナミビア共和国で推進するレアアース探査プロジェクトについて、「共同開発事業者として参画することになった」と発表した。
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3月14日
日米両政府が南鳥島沖での海底レアアース開発を巡り協力する。時事通信や日本経済新聞などの一般紙が3月14日に伝えた。3月19日の高市早苗首相の訪米に伴う首脳会談で、海洋鉱物資源を巡る開発協力の作業部会創設に関する協力覚書を結ぶ方向とされた。
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(IR Universe Kure)